北大エボラ研究チームに支援が殺到、クラウドファンディングを「瞬殺」する

animals_plants 2019/02/20
Credit: readyfor.jp
Point
・北海道大学のエボラ出血熱研究グループのクラウドファンディングが設立
・Twitter上で反響を呼び目標金額を1週間で達成
・資金不足の背景には国から交付される予算の大幅削減がある
・日本に毒性の強いエボラ出血熱を満足に扱える研究施設が存在しない

今月1日に開始された、北海道大学獣医学部の「すべてのエボラ出血熱に効く飲み薬」におけるクラウドファンディング。なんとこのプロジェクトが、ネットの力により、1週間で目標金額を優に達成しました。

支援額は現在も増加中の模様。果たしてこのプロジェクトに何が起きたのでしょうか?

「クラウドファンディング」×「拡散」

発起人は、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人教授。大学を通じて支給される研究予算の削減を受け、クラウドファンディングを思い立ったそうです。教授は今回の資金を、エボラ出血熱の治療薬の開発に必要な試験のうち、自分の研究室では行えないため、他の試験機関に外注する「薬物動態試験」に使いたいと説明しています。

数年前、世間を騒がせたエボラ出血熱を覚えているでしょうか。非常に凶悪なウイルスで、西アフリカでは2013年から2016年にかけて、一万人以上の犠牲者を出しています。しかしこのような凶悪な感染症であるにもかかわらず、20回以上の流行を経てなお治療薬や治療法が確立されていません。

そんな中、Twitterユーザーの@ude_futoshiさんが、教授のクラウドファンディングを取り上げます。

紹介するや否や、このツイートが大反響。8千件以上のリツイートで拡散された結果、クラウドファンディングのページに支援希望者が殺到したのです。目標資金額はもちろん、瞬く間に達成されました。

応援のメッセージも急増

また、高田教授のクラウドファンディングのページには多数の声援が寄せられており、投稿翌日の2月8日午前中だけでも、100件以上の応援コメントが送られました。現在も支援総額やコメント数は増えており、締め切りの3月29日までにどこまで応援が広がるかにも注目が集まります。

クラウドファンディングのサイトに寄せられた応援コメント。平日昼間にも関わらず数時間で200を超える声援が寄せられた。 / Credit: readyfor.jp

“ウイルスハンター”高田礼人教授とは

高田礼人教授。エボラウイルス研究の世界的第一人者です。 / Credit: readyfor.jp

高田教授は、自称剣術家の「ウイルスハンター」。剣道を嗜んでいる上に、未開のジャングルに飛び込んで野生動物の体内に潜むウイルスを研究していたため、ウイルスハンターと呼ばれるようになったそうです(MBS『情熱大陸』より)。すごい人だ…。

エボラウイルスの感染メカニズムの解明などの基礎研究を通して、予防・診断・治療法の開発のための重要な発見をしてきた第一人者ですが、いわく「研究は食べていくため」とのこと。

しかしその反面、脅威度の高い感染症に対する日本の防疫意識に対して、「エボラウイルスは他国の話ではない」と話しています。食べていくためと言いながら、とってもアツイ先生なのです。

日本でのエボラ取扱いの限界

エボラウイルスは危険性が高く、今の日本の研究施設ではエボラウイルスを満足に取り扱えません。これまでエボラウィルスの代わりに、研究用に毒性の弱いウイルスにエボラウイルスを置き換えた「偽エボラ」を使用していたり、上述の通りエボラウイルスのあるアフリカで研究を行ってきたりしました。

とはいっても、高田教授の今回のクラウドファンディングは、新薬開発のプロセスの中でも「非臨床試験」という段階で必要な資金です。さらにこの先には臨床試験や申請・審査等が待っています。

支援をすることで高田教授の進捗報告や結果報告も知ることができるので、興味を持った方はぜひクラウドファンディングページを見てみてくださいね。

 

クラウドファンディングの内容がTwitterで拡散されることで、研究開発までの壁が一つ減った今回の出来事。今後もこのように、一般の方によって支援される研究事例は増えていくのかもしれませんね。

ところで先生。3万円以上の支援のお礼にあるウイルス携帯ストラップが超気になるんですけど?感染したりしませんよね…?

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そして…

今回なんと、高田先生が特別にナゾロジー編集部の取材に答えてくれました!今後必要となる予算総額から、日本のネット上で一番詳しいかもしれない「エボラ日本上陸ストーリー」まで聞いてみました。ぜひ読んでみてくださいね。

人類はエボラに勝てるのか? エボラ研究の最前線・高田礼人先生に突撃インタビュー!

reference: readyfor.jpmbs.jp / written by 白大根

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