朝食の定番コーンフレークはいかにして生まれたのか?
朝食の定番コーンフレークはいかにして生まれたのか? / Credit:canva
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コーンフレークは「医療行為のための食品」として生み出された! ケロッグ兄弟の意外な確執と歴史

2021.06.30 Wednesday

ザ・フード -アメリカ巨大食品メーカー https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%92%E7%94%9F%E3%82%93%E3%81%A0%E7%94%B7%E3%81%9F%E3%81%A1/dp/B08R9DSNVT/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC&qid=1623058091&s=instant-video&sr=1-4

今やどこのスーパーマーケットに行っても必ずおいてある朝食の定番「コーンフレーク」と「グラノーラ」。

これらは19世紀末に、医師ジョン・ケロッグの療養所で発明されました

すぐにピンとくるでしょうが、コーンフレークで有名なケロッグ社の名前はここから来ています。

ただ、ケロッグ社の創業者は弟のウィル・ケロッグであり、ここには兄弟の確執が見え隠れしています。

何気なく毎朝食べているコーンフレーク、それはいかにして世に誕生したのでしょうか?

 

 

 

都市化が進んだ19世紀の食糧事情

産業革命により機会化された工場
産業革命により機会化された工場 / Credit:Wikimedia Commons

コーンフレークの誕生を語る前に、まずはこれが誕生した19世紀という時代の食糧事情について理解する必要があります。

18世紀半ばより起きた産業革命により、世界では急速な都市化が進んでいきました

人々は農村を離れて、都市に建てられた工場で働くようになり、都市の人口が急激に増加しました。

ここで問題となったのが食料の確保です。

これまで自給自足で生活していた人々が、都市に集中し、食べ物を買って済ませるようになったため、食料の需要が大幅に高まったのです。

しかし、まともな保存料もなく、冷蔵庫も普及していない時代です。

市場の商人たちは、どこから来たのか出どころも怪しい肉や魚、野菜や果物を、腐っているのも気にせずに売りさばいていました。

19世紀のニューヨークの市場
19世紀のニューヨークの市場 / Credit:lavanguardia/Así eran las ciudades a principios del siglo XX

牛乳の腐敗をごまかすために白い染料を混ぜたり、ホルムアルデヒドなど危険な化学薬品を保存に使うケースもありました。

さまざまな有毒物質を口にしたため、この時代は胃を痛める人が多く、胃がん患者の発生率は現代よりも高かったといわれています。

医師ジョン・ケロッグは、そんな時代に、ミシガン州パトルクリークで心身の治療を行うための療養所を運営していました。

ジョン・ケロッグが管理していたバトルクリークの療養所
ジョン・ケロッグが管理していたバトルクリークの療養所 / Credit:en.Wikipedia

ジョンは非常に創意工夫に富んだ医師で、長期療養する患者たちに、独自の運動療法や食事療法を施していました。

当時では珍しいエクササイズなどを取り入れた独特の治療法は多くの資産家たちに好評で、トーマス・エジソンやヘンリー・フォードといった有名人も彼のもとを訪れていたといいます。

そのため、「バトルクリーク療養所」は世界中から人々の集まる人気の療養所でした。

ジョン・ハーヴェイ・ケロッグの肖像
ジョン・ハーヴェイ・ケロッグの肖像 / Credit:Wikipedia

ジョン・ケロッグはかなり先進的な医学に対する考えを持っていて、タバコの肺に与える害についても早くから警告をしており、栄養のある食事をきちんと摂ることの重要性にも目を向けていました。

特に胃腸を痛めた人に、肉を与えるのはもってのほかだと考えていた彼は、この時代に多かった胃に不調を抱えた患者たちのために、消化に良い穀物をベースにした新しい食事を考案しました。

それが小麦粉やオート麦、トウモロコシ粉など複数の穀物の粉を焼き固めた後、ハンマーで粉々に砕いた新しい食品でした。

ジョンはこの新しい食べ物を「グラノーラ」と呼びました。

焼き固められたブロックのグラノーラ
焼き固められたブロックのグラノーラ / Credit:canva

これが現代でも朝食のテーブルに並ぶ、グラノーラのはじまりです。

現代では砂糖を混ぜて食べやすくされていますが、医師であったジョンはグラノーラに砂糖を混ぜるなんてとんでもないと考えていました。

ジョンは、この発明をあくまで医療行為の一環と考えていて、商品としてビジネス展開させることなど考えてもいなかったのです。

これを世界に名だたる朝食用シリアルへと発展させたのは、弟のウィル・ケロッグでした。

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