なぜ生んだ?反出生主義者の「深層心理」を心理学的に分析してみた

反出生主義
反出生主義 / Credit: depositphoto

今年2月初め、インドから衝撃的なニュースが報告されました。インドの青年が、なんと「承諾なしで自分を産んだ罪」で両親を訴えたというのです。

「本人の同意なしになぜ生んだ?」インドの男性が両親を告訴へ | ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/2019/02/07/antinatalist-sue-parents_a_23663582/

一見すると荒唐無稽に思えるこの主張ですが、今ネットを中心に存在感を増してきています。

反出生主義とは、「人間は繁殖すべきではない」とする哲学的な立場です。一体彼らはなぜ、そのような考えに至ったのでしょうか?

この疑問について、元臨床心理士で、ブログ「星乃かたちみ」を運営している春井星乃さんに話を聞きました。

反出生主義はなぜ生まれた?

――いや〜ここ数年、ネット上で反出生主義の声をよく聞くなーとは思っていましたが、ついにこんな訴訟が起こってしまうとは…。

反出生主義的な思想自体は、19世紀の哲学者ショーペンハウアーも言及しているし、新しいものではないですよね。

ただ今回の件は、インドの社会背景も関わっているっぽいなと思いました。現在インドでは人口がかなりの速度で増加していて、現在13億人いる世界第1位の中国を追い越しそうな勢いです。

それに、インドでは「親を敬うべき」という考えが非常に強いらしいですから、そのような背景に対する一つの問題提起なのではないでしょうか。

星乃さんは元臨床心理士で、カウンセリングもおこなっていますよね。カウンセラーからみて、この反出生主義はどう映りましたか?

星乃:おっしゃるようにインド独特の社会背景もあると思いますが、この反出生主義の登場には、人類共通の「親子関係と子供の意識発達」の問題と、世界的な時代の流れの2つが関係していると思っています。

――なるほど世界的…。冒頭でも言いましたが、日本でも、特にネット上ではどんどん反出生主義に関する声が大きくなっているみたいですね。Google検索でも数年前から右肩上がりで増えています。

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