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テッポウエビが発するプラズマ衝撃波をヒントにした「ハサミ型ロボット」が開発される

2021.01.27 Wednesday

2019.04.19 Friday

Credit:sciencenews
Point
■テッポウエビのハサミをヒントに、水中でプラズマ衝撃波を生み出すロボットが発明される
■ハサミを勢いよく閉じることで生み出された気泡は、破裂時に1650度まで達する
■ハサミ型ロボットは、水中での岩石掘削作業だけでなく、水の浄化にも役立つことが期待される

未来のハサミ型ロボットが爆誕だ。

テキサスA&M大学の研究チームは先月、水中でプラズマ衝撃波を作り出すことのできるハサミ型ロボットの開発成功を発表した。

さらに性能を進化させれば、水の浄化や岩石の掘削作業への応用も期待できるそうだ。
研究の詳細は、3月15日付けで「Science Advances」にて掲載されている。

Bioinspired mechanical device generates plasma in water via cavitation
https://advances.sciencemag.org/content/5/3/eaau7765

ハサミからプラズマ衝撃波?小さな巨人「テッポウエビ」

「テッポウエビ」は体長5〜7cmほどの小さな生物だが、片方だけ大きくなったハサミには驚異的な力がある。そのハサミを勢いよく閉じることで、なんと強烈なプラズマ衝撃波を生むことができるのだ。

プラズマとは、気体の分子から電子が飛び出して、自由に動き回っている状態のことで、「物質の第4の状態」と呼ばれている。

しかし「エビからプラズマが」と言われてもさっぱりわからない。一体どのような仕組みでプラズマが発生するのだろうか。

ハサミは主に、上部「プランジャー」と下部「ソケット」から構成されている。このプランジャーを土台であるソケットに向けて叩きつけることで、気泡が作り出される。

Credit:techxplore

この気泡はすぐに破裂し、大きな音をともなってプラズマ衝撃波を発するという仕掛けらしい。しかも破裂時のプラズマは超高温で、なんと1650度を上回るそうだ。

テッポウエビはこの武器を用いて小さな魚を気絶させたり、サンゴ礁を砕いたりしている。まさに「小さな巨人」と言えるだろう。

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