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放射線の向きがコロコロ変わる!? 奇妙なブラックホールのメカニズム解明に成功 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.05.01 Wednesday

前ページブラックホールから噴出する放射線

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回転軸と軌道面のズレで「歳差運動」が起きていた

噴出の様子を詳しく観測してみると、放射線は同じ向きではなく、アッチコッチ方向を変えていることが分かった。

主任研究員のジェームズ・ミラー・ジョーンズ氏によれば、通常ブラックホールからの噴出は降着円盤の軌道面から決まって「垂直に」噴き出すと言う。

そして電波望遠鏡(超長基線アレイ)を用いてより細かく分析すると、ブラックホールの「回転軸」と降着円盤の「軌道面」が斜めにズレていることが判明したのだ。

Credit: ICRAR

回転軸のズレによって降着円盤に「ぐらつき」が生じて、ドーナツ部分に歳差運動を起こしていたのである。歳差運動は止まりかけのコマのように、自転軸が円を描いて振れる現象だ。

ただし、このブラックホールは止まりかけのコマと動くは似ているもののスピードは桁違いに速い。

数分から1時間以内と、かなり短いスパンで方向が変化していることから、ブラックホールの中心部が急速に回転していることが推測できるのだ。

Credit: ICRAR

回転軸と軌道面のズレの理由はまだ分かっていない。一説では「ブラックホールが生み出す超新星爆発の威力で、回転軸がズレたのでは」と考えられているが定かではないとのこと。

今後の解明が待たれる。

ブラックホールからの強大なジェット噴出は「負のエネルギー」によるという研究が発表

reference: theconversationesa.int / written & text by くらのすけ

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