犬に読み聞かせ。新しい教育法「読書犬」がフィンランドで拡大中

animals_plants 2019/04/30

Credit:depositphotos
Point■フィンランドの小学校で、犬に読み聞かせをする「読書犬」が新しい教育法として流行中

■穏やかに聞いてくれる犬に読み聞かせをすることで、難しい内容でも子どもたちの自信に繋がる

■読書犬としては、性格が「穏やか」かつ体格の良さから聞き手の「威厳」も備える「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」が最適

フィンランド在住の小学5年生ドニータは、今日も元気に本を読んであげる。聞き手は犬のヒルマ・マリアだ。

ヒルマは普通のペット犬ではない。

ドニータが通うHovirinta小学校に務める「読書犬」である。現在、フィンランドでは犬に読み聞かせをする教育法が流行しつつある。

一体どんな試みなのだろうか。

「読書犬」とは?

「読書犬」は2011年からフィンランドにある一部の小学校で始められた新しい教育法だ。犬に読み聞かせをすることで高い報酬経験が得られ、子どもが読書の習慣をつけやすくなるのだと言う。

「読書犬」の発起人であるMaarit Haapasaari氏は次のように話す。

「難しい内容の本でも声に出して読むことで子どもたちの自信に繋がります。たとえ読み間違えたりしても、犬は満足そうに聞いていてくれるので子どもの自信を削ぐことはないのです」

リラックスする読書犬のヒルマ/Credit:Ilari Välimäki

実際、犬に読み聞かせをした子どもたちは充実した達成感を覚え、「もっと本を読んであげたい」と思うようになっているようだ。

それから読書の際は、読み聞かせを行う子どもと読書犬、犬の世話人だけの空間をつくるように気をつけている。というのも、他の聞き手がいない方が、子どもと読書犬の間に親密で心地よい空気感が生まれるそうだ。

他の小学校にも浸透中

Haapasaari氏のアイデアに触発されて、他の小学校でも「読書犬」の導入が開始されている。まだフィンランド小学校教育の公式なカリキュラムとして認定されてはいないものの、ヒルマ以外にもすでに数十頭の「読書犬」が誕生しているようだ。

Hovirinta小学校の特別支援クラスを受け持つHeidi Puputti氏も「子どもの緊張をほぐして、集中力を高めるのにとても効果的」だとヒルマを絶賛している。

「普段落ち着きがない子どもたちも犬に読み聞かせる際はとても穏やかになるんです」と満足気だ。

Puputti氏(左)とHaapasaari氏(中央)、ヒルマ/ Credit:Ilari Välimäki

「読書犬」に最適な「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」

読書犬の犬種は今のところ、すべて「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」だ。

理由としてHaapasaari氏は「彼らの穏やかな性格と抱きしめたくなるような見た目は子どもに最適です。それから性格に反して体のサイズがとても大きいので、聞き手としての威厳と風格もしっかり備えています」と指摘する。

同学校ではヒルマ以外にも同種の「ヴィリヨ」が活躍している。ドニータは「ヴィリヨはとってもいい子よ。いつも静かに話を聞いてくれるの」と話す。

Credit:Ilari Välimäki

フィンランドでは「読書犬」ブームが着々と拡がりつつあり、老人ホームや障害者施設にも出張しているそうだ。Hovirinta小学校の近くにある町では犬以外の動物も聞き手として登場し始めている。

その名も「読書ウシ」だ。

やや暴走気味ではあるが、子どもたちは学校や図書館ではなく、農場での読書という変わった体験を楽しんでいると言う。

 

どこまでエスカレートするか分からないが、「読書インコ」は茶々入れしてきそうなので却下かな……。

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reference: finland.fi / written & text by くらのすけ

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