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重さの定義が変わったよ! 日本が大きく貢献したキログラムの再定義 (4/4)

2021.10.07 Thursday

2019.05.20 Monday

前ページ重さの定義の新の主役 プランク定数

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新定義には日本も大きく貢献!

1999年にNASAが国際基準のメートル法を使わずポンド・ヤード法で図面を描いてしまったせいで、100億円以上かけた火星探査機計画を駄目にしてしまったというニュースがあるが、単位が厳密に揃っていないと大きな問題につながる恐れがある。

NASAの例はそもそも基準にする単位系を誤ったという話だが、同じメートル法を使っていたとしても、ナノテクノロジーなど高精度を要求する分野では、厳密に単位が定義されていなければ、いずれこのニュースと同じような問題が発生する恐れがある。

今回のキログラムの定義改定は、そんな精密な現代科学に合わせて実施されたものだ。

この新定義のために、プランク定数の厳密な測定が行われたが、これには世界で計測された非常に精度の高い8つの計測データが使われている。その内、4つのデータに日本が大きく貢献している。

誇らしいお話だが、このキログラム再定義のプロジェクトに日本が参加するには、色々と苦労があったようだ。

ドイツは人類の崇高なミッションとして、アメリカは安全保障上の観点で当然とすぐ参加を決めたが、日本は短期的な利益を求めがちなため、産総研の科学者たちはプロジェクトの開始にあたり、まずなぜ定義の改定が必要か、経産省を説得するところから始めたそうだ。

技術力はあるのに日本、そういうところやぞ…。

しかし、これまで国際単位の場には欧米諸国しか参加することができず、国際単位の定義にアジアの国が名を刻んだのは日本が初めてだ。

科学における歴史的な瞬間に、これからも日本が関わっていく機会が増えていったらいいなあ。

超難問「フェルマーの最終定理」証明の最重要人物である日本の数学者が死去

reference:産総研,nature/written by KAIN

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