赤ちゃんを生きたまま食らうハムスターの母親、原因は身近なものに…

animals_plants 2019/08/03
Credit: pixabay

Point

■フランス北東部の地域で、ハムスターが共食いをするおぞましい例が報告されている

■偏食によってビタミンB3が不足したことが異常行動の原因であるとされる

■偏食のきっかけとなったのは人間による農地拡大であり、人間こそがこの事態の大きな責任を負っている

人間同様、ハムスターもビタミンB3不足に悩まされているようです。

一般的に、野生のハムスターは共食いをする動物ではありません。しかし研究者たちはフランス北東部の地域において、「ハムスターの母親が生まれた赤ちゃんを生きたまま食らう」ケースがあることを明らかにしました。

研究は2017年の「Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences」に掲載されている。

Diets derived from maize monoculture cause maternal infanticides in the endangered European hamster due to a vitamin B3 deficiency

https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2016.2168

原因は人間による農地拡大

可愛い顔をしたハムスターからは想像もできない所業ですが、 研究者らはその原因がハムスターの「食糧」、特にトウモロコシがハムスターを共食いに走らせていたことを発見しました。

かつてその地域に生息していたハムスターは、穀物、植物の地下茎、昆虫などを食していました。しかし大規模な工業型農業が地域を席巻し始めると、トウモロコシ以外の食糧がハムスターに残らなくなったのです。

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こうして、主にトウモロコシのみで飢えをしのぐ運命となったハムスターたちですが、トウモロコシには重要な栄養素が不足していました。それはビタミンB3、すなわちナイアシンです。

ビタミンB3の不足は、ペラグラと呼ばれる症状を引き起こすものであり、ペラグラは認知症の原因になるとされています。

さらに、未調理のトウモロコシをベースとした食事と、人間の暴力的な行動を関連付ける報告もあります。そうした行動の中には、殺人や自殺、そしてカニバリズム(食人)が含まれているのです。

つまり、人間においてみられたトウモロコシが原因のそうした傾向が、ハムスターにも現出したことが考えられます。

世にも恐ろしい「ビタミンB3不足」

そこで研究者たちは、ハムスターの食糧を「小麦」と「トウモロコシ」に分けて実験を実施。すると結果は、一目瞭然でした。

「小麦」を食べたほとんどのハムスターが子どもを離乳させられたのに対し、「トウモロコシ」を食べたハムスターのほとんどは、自らの子どもを食らっていました。

また別の実験では、ハムスターの1グループのトウモロコシにビタミンB3を加えました。すると、ビタミンB3を摂取したハムスターのグループにおいて、子どもの共食い行動がなくなったことが分かったのです。

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ハムスターの共食いは、人間が農地をいたずらに拡大する以前にはみられない行為でした。確かにこのハムスターの異常行動はおぞましいものですが、そのきっかけとなった行動が私たち人間のものであることを忘れてはいけません。

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reference: indianapublicmedia / written by なかしー

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