動きのバリエーションは無限大?
研究者らは、より詳細にこの12歳のオウムのダンスを分析するために、80年代のシンディ・ローパーのヒット曲、『Another One Bites the Dust』と『Girls Just Want to Have Fun』を3度ずつ流して、合計23分間にわたって様子を観察した。
その結果、スノーボールくんは曲に合わせて、実に14もの異なる動きをしていたことが明らかとなった。さらに、そのうちの2つを組み合わせた動きも2つみられた。
また、同じメロディであればダンスも同じというわけでもなかった。
スノーボールくんは特定の旋律とダンスを結びつけているわけではないらしい。彼のダンスは、自らで新たなシークエンスを生み出せるほど柔軟なもののようだ。
研究者らは、人間やオウムがこうした曲に合わせたダンスをすることを可能にする要素として、5つの共通する特徴を挙げている。
1. ヒアリングとダンスを脳内に強く結び付けられるような、複雑な音声学習をおこなう脳力
2. 非言語的な動作をまねることを学習する脳力
3. 社会における長期的なつながりを形成しようとする傾向
4. 複雑な一連の動きを覚えることができる脳力
5. コミュニケーションに向けられた注意力
しかし、研究を率いたタフツ大学の認知神経科学者アニルド・パテル氏は、オウムの中でもスノーボールくんは特別であることを語っている。
「音楽に合わせて異なる動きをみせるオウムの例は、他にもインターネットでみることができますが、スノーボールは科学的な研究対象として認められた初めての例なのです」
確かに彼の動きはちょっと普通ではない。彼が新たな喜びを見出すためにも、同じレベルで踊れるダンスパートナーがみつかることを願うばかりだ。