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シャンパンのコルクを飛ばす時、戦闘機と同じ衝撃波が発生していた

2021.01.28 Thursday

2019.09.29 Sunday

Credit:pixabay

Point

■シャンパンのコルクが飛ぶ際に生じる衝撃波は、戦闘機が生じる超音速排気ガスの衝撃波と同じ原理であることが判明

■コルクの衝撃波は、瓶のネック部分の溜まった高圧ガスが瞬間的に逃げ出すことで生じる

■実験により、ボトルの保存温度で、衝撃波の色が変化することも明らかに

シャンパンのコルクを開ける時、思いの外強く飛んでしまい驚くことがあります。この開栓時の衝撃波には、意外なものと共通点があったようです。

フランス大学(仏)の研究で、このコルクを開けた瞬間に生じる衝撃は、戦闘機が発する超音速排気ガスの衝撃波と同じ種類のものであることが判明しました。

これは「マッハ・ディスク」と呼ばれる可視的な衝撃波で、排出されたガスが音速の2倍を越えるスピードで膨張するときに生じるものです。

これと同じ現象が、コルクを開ける際にも生じていたとは驚きですね。しかもシャンパンボトルの保存温度によっては、発生する衝撃波の色も変わってしまうとのこと。

研究の詳細は、9月20日付けで「Science Advances」に掲載されました。

Under-expanded supersonic CO2 freezing jets during champagne cork popping
https://advances.sciencemag.org/content/5/9/eaav5528

衝撃の瞬間をハイスピード撮影

研究チームは、コルクが飛ぶ瞬間に起こる現象を詳しく分析するために、ハイスピードカメラを用いて撮影を行いました。

その映像がこちら。

研究主任のGérard Liger-Belair氏によると「コルクの衝撃波は、瓶の首部分に長く溜まっていた高圧ガスが瞬時に逃げることで生じる」といいます。これは戦闘機における「マッハ・ディスク現象」と同じ原理です。

衝撃波が生成されるプロセスは以下の通り。

まず、コルクが瓶から外れると、瓶上部に閉じ込められていた水蒸気と二酸化炭素が急速に膨張し、激しく押し出されます。この急激な圧力の変化によって、水蒸気と二酸化炭素が瞬間的に氷へと結晶化し、その後すぐに凝縮して霧となり、瓶の外に流れ出るのです。

Creidit:livescience

そしてコルク発砲後の1ミリ秒以内に起こるのが、数少ない可視的な衝撃波であるこの「マッハ・ディスク」なのです。しかし瓶の中の圧力が元に戻ると、すぐに消えてしまいます。

色の変わっている四角い部分が「マッハ・ディスク」/Creidit:livescience

次ページ保存温度で衝撃波のタイプが変化

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