自動的に太陽の方向を向く「人工ひまわり太陽光パネル」が発明される

technology 2019/11/06
Credit: pixabay
point
  • 太陽の方角へ向かって自動的に曲がる人工ひまわり「SunBOT」を配列した太陽光パネルが発明された
  • 茎部分が熱によって曲がる材料を用いることで最大4倍もの太陽光エネルギーを生産可能

ひまわりがいつも太陽の方向を向いているのは、光の刺激に対して一定の方向に屈曲して生長する「屈光性」を持っているからです。

このひまわりの特性に着想を得た太陽光パネル「SunBOT」が、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームによって発明されました。

太陽の方角へ向かって自動的に曲がる、小さな人工ひまわりを配列して作られたものです。

論文は、雑誌「Nature Nanotechnology」に掲載されました。

Artificial phototropism for omnidirectional tracking and harvesting of light
https://www.nature.com/articles/s41565-019-0562-3.epdf

光が当たると湾曲する茎

人工ひまわりを構成するのは、光に反応する材料でできた「茎」部分と、太陽電池に広く用いられる光を吸収する標準的な材料でできた「花」部分で、各SunBOTは幅1ミリにも満たないサイズです。

SubBOTの茎は熱や光で形を変えるスマートマテリアルで出来ており、光が当たると温まって収縮します。これにより茎が曲がり、光のある方角を向くというわけです。

SunBOTの方角が光の方角とぴったり一致すると、茎は湾曲を停止します。曲がることで日陰が生まれ、これによって茎が冷えて収縮が止まってしまうからです。

人工ひまわりと従来の太陽光パネルの違い

従来の太陽光パネルは、集めた太陽エネルギーを直接電気に変える光電池によるものがほとんどです。日中の屋外は、エネルギーを貯蔵の利く形式で運搬することが困難なため、この仕組みは決して実用的とは言えません。

それに対して、SunBOTは太陽熱を集め、熱を伝える液体やガスで隙間を満たした太陽電池の集合体で構成されています。液体を使用した場合は、太陽蒸気エネルギーと呼ばれ、古くから使われてきた蒸気エンジンや蒸気発電機のような働きをします。熱はエネルギー効率の高い媒体を通して伝わるため、効率的な貯蔵が可能です。

Credit:depositphotos

研究チームは、SunBOTを配列して作った太陽光パネルが、特殊な材料を用いずに斜めに傾けただけの太陽光パネルと比較して、4倍も多く光を集められることを示しました。これは、従来用いられてきた一軸式または二軸式の太陽光パネルと肩を並べる性能です。

その上、SunBOTは、光電池の代わりに太陽熱を使うため、従来の太陽光パネルでは非効率的な場面や、エネルギー貯蔵が重要な場面にはもってこいです。それに、SunBOTのサイズがとても小さいため、狭い表面にも導入しやすく、使い勝手や景観においても大きなメリットがあります。

光などの外部刺激を受けて反応を示すスマートマテリアルは、自然からインスピレーションを受けたものがほとんどです。いつの時代も、自然は私たちに多くのことを教えてくれる偉大な教師ですね。

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reference: newscientist, msn / written by まりえってぃ

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