天才数学者が二次方程式の簡単な解き方を考案!

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【編集注 12.29 18:00】
記事の内容に一部不明瞭な点があるとご指摘をいただきましため、内容を精査し、後日改めて訂正記事を公開いたします。

数学が好きな人も嫌いな人も2次方程式を習ったことでしょう。2次方程式を解くための方法は、「解の公式」や「解と係数の関係」など、世界中の人々が学んできました。

しかし最近、数学者ポーシェン・ロー氏が二次方程式の違った解き方を考案。歴史的に見れば決して「新しい」わけではありませんが、2次方程式に苦手意識のある人にとっては、その理解について新しい視点をもたらしてくれるかもしれません。

研究論文の詳細は「arXiv」で公開されました。

A Simple Proof of the Quadratic Formula
https://arxiv.org/abs/1910.06709

また、二次方程式の簡単な解き方はポーシェン・ロー氏のwebサイトでも説明されています。

Quadratic Method: Detailed Explanation
https://www.poshenloh.com/quadraticdetail/

天才数学者ポーシェン・ロー

ポーシェン・ロー氏 / Credit:Expii

ポーシェン・ロー(Po-Shen Loh)氏はカーネギーメロン大学の数学教授。米国の国際数学オリンピックチームのナショナルコーチとしても活躍している天才数学者です。彼の技術は多岐にわたり、2018年には米国大統領早期キャリア賞で科学者としても表彰されたほどです。

ロー氏は「高度な概念をあらゆるレベルの人に教える」教育者として知られています。現在の数学に関して、多くの人にとって複雑で身近ではないと感じており、より簡単で理解しやすい数学を追い求めているとのこと。

今回の発見について、「世界の人にできるだけ共有したい」と述べています。

これまでの二次方程式の解き方

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ax2+bx+c=0

このような2次方程式を解く場合、通常の方法は以下の通りです。

ax2+bx+c=0 を

(x-?)(x-??)=0 のように因数分解して

x=?,?? という答えを出します。

?や??に入る数字を探すために推測が必要になります。

例えば、

x2-7x+12=0 であれば

(x-4)(x-3)=0 となります。

単純な数値の場合は簡単ですが、

x2-4x+6=0  といった場合は

(x-?)(x-??)=0 の形にすることが出来ません。

ですので、

この見慣れた解の公式を使います。

しかし「解の公式までの導出が分かりにくい」という人にとっては、今回の方法を知っておくと理解への一助となるでしょう。

推測も暗記も必要ない二次方程式の新しい解き方

Credit:depositphotos
Credit:depositphotos/Credit:depositphotos

考案された新しい方法について、順を追って考えていきましょう。

x2-10x+18=0

この二次方程式を新しい方法で解いてみましょう。

新しい方法はどんな数式でも強引に (x-?)(x-??)=0 の形にすることがポイントとなっています。

① x2-10x+18=0 を (x-?)(x-??)=0 にすると、

?+??=10 かつ

?×??=18 となります。

② ?+??=10に注目します。

次の考え方が、新しい解き方の最も大切なポイントとなります。

?や??に仮の値を入れて考えてみましょう。

?+??=10に当てはまる数字はどんなものがあるでしょうか?例えば、

4+6=10

8+2=10

5+5=10

などです。

これらは、次のようにも表せます。

(5-1)+(5+1)=10

(5+3)+(5-3)=10

(5+0)+(5-0)=10

です。

上記の数式を見てみると、?や??はそれぞれ「10を半分にした5」から「共通の数字」を足したり引いたりしたものだと分かります。

もちろん、「共通の数字」は分からないので、「 u 」と仮定します。

?+??=10 に「 u 」を当てはめると (5+u)+(5-u)=10 となり、

?=(5+u)

??=(5-u)

になりますね。

③ 次いで?×??=18に注目します。

先ほど仮定した?と??を当てはめると

(5+u)(5-u)=18

になります。

ここで、共通の数字である「 u 」を見つけたことの効果があらわれます。

計算すると、

25-u2=18

u²=7

u=±√7

となります。

仮に決めた共通の数字「 u 」の値が分かってしまいました!

④ uの値が明らかになったので、?、??の値も分かりますね。

?=(5+u) 、 ??=(5-u) だったので、

?,??=5±√7

となります。

これでx2-10x+18=0を強引に(x-?)(x-??)=0の形にすることができました。

x=?,?? なので、

x=5±√7 となります。

これで終了です。

実際に解けるか試してみた

本当にこの方法で解けるのか、ナゾロジースタッフが検証してみました。「別に確かめなくても分かるよ」という人は読み飛ばして大丈夫です。

いくつかの二次方程式で、答えが出るかどうか試してみまでょう。

まずは、

x2-7x+10=0

という式が解けるか試してみます。
上の解き方を参考にしながら、まずは7の半分の値3.5をuと組み合わせ、

?=x2-7x+10=0 ??=3.5-u

とします。そして、

(3.5+u)(3.5-u)=10

となるようなuの値を探していきましょう。

計算を行うと

12.25-u2=10

u²=2.25

u=±√2.25=±√9/4=±3/2=±1.5

となり、

x=?および??=(3.5+u)および(3.5-u)

なので

x=5,2となり、素因数分解の結果が

(x-5)(x-2)=0

となります。これを再び計算すると

x2-7x+10=0

となるので、無事に正しかったことが分かりました。

皆さんもぜひ、今回の方法で試してみてくださいね。

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reference: sciencealert / written by ナゾロジー編集部
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