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寝たきり患者の「意思」がわかる脳内スキャナーが開発される (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.03.08 Sunday

前ページ脳内スキャナーは脳活動をキャッチする

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テニスプレイのイメージで返答する

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Credit:depositphotos

まず、大前提として、患者は意識を保っていて、医師の言葉が聞こえていなければいけません。

そして、患者は、医師の質問に「はい / いいえ」の2択で返答できます。この返答には脳内イメージを活用します。

医師は、患者が「はい」と答えたいときには、「自分がテニスをしている状況を想像する」よう指示します。そして、「いいえ」と答えたい場合には、「何も考えない」よう指示します。

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脳内スキャナーは、動きに関係する脳の信号を感じ取り、「テニスプレイを想像した」ときに点灯するようになっています。

医師たちは、質問と信号のキャッチを繰り返すことで、患者の意思を把握できます。

実際に、脳損傷の無いボランティアたちでテストを行ったところ、4分の3が質問に正確に回答できたようです。

さらに、研究チームは、脳内スキャナーを使用して、完全麻痺状態にある人と話すことにも成功しました。

オーウェン氏によると、脳内スキャナ―は、患者の願いを汲み取るだけでなく、今後の症状の改善に関する情報も明らかにしてくれるようです。「脳スキャナ―の指示に反応できる人は回復する可能性が高い」とのこと。

動けない患者の意思を知ることができるのは、医学と科学の大きな進歩の結果だと言えるでしょう。

ただし、この方法には、まだ多くの考慮すべき点が残っています。

テストで、4分の1のボランティアが正確に回答できなかったわけですから、まだ「延命治療」などの重大な質問を投げかけるわけにはいきません。

また、「患者が自分の状況や質問の意味を本当に理解しているか?」といった疑問点も残っています。安楽死などの意思確認に採用するには、まだ時間がかかりそうです。

脳を半分失った人は特殊な「脳の繋がり」を持つと判明

reference: newscientist / written by ナゾロジー編集部

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