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宇宙が加速膨張しているのは地球の近くだけ? ハッブルバブル仮説を証明する研究が登場 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.03.14 Saturday

前ページ宇宙の膨張率を計算する2つの方法

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ハッブルバブル 対 暗黒エネルギー

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Credit:国立大学附置研究所

ローカル(最近の変化)なハッブル定数の測定結果が、グローバル(つまりは古代)なハッブル定数を測定結果より大きくなってしまうということは、つまり昔より宇宙の膨張速度が増していると解釈することができます。

そのため、現在宇宙は加速膨張しているという考え方が主流です。

ただ、内部に多くの物質が存在し内側に向けて重力の働く宇宙が、加速膨張するということは、重力に逆らう斥力の存在が必要になってしまいます。

そうした理由から提唱されているのが暗黒エネルギーという存在です。

ただ、これを証明する手立ては現在のところありません。

一方、これに対抗する理論も登場しています。それがハッブルバブル仮説です。

ハッブルバブル仮説は、宇宙は考えられているほど均一ではなく、地球周辺は外側の宇宙に比べて密度が低い泡のような空間の中にあるとしています

密度の低い空間は、当然密度の高い外側の空間に強く引っ張られます。そのため、地球周辺を包み込む低密度の泡領域だけが加速度的に膨張しているのだというのが、ハッブルバブル仮説の主張です。

低密度の泡空間をさしてハッブルバブルと呼んでいます。

どちらがそれっぽいと感じるかは人によるでしょう。ただ発表当時、ハッブルバブルは直径80億光年と設定されていて、その考え方で計算した場合、2つの計算方法の誤差は4分の1程度しか埋まりませんでした。

そのため、結局あまり信憑性がないのではないかと考えられていたのです。

今回の研究は、このハッブルバブルの距離の設定を再考し、2つの計算結果の誤差を埋めたと報告しています。

研究者によると、ハッブルバブルを直径2億5000万光年と設定し、ハッブルバブル内の密度が外側より50%も低いと設定した場合、2つの計算結果の誤差は、うまく解決するというのです。

このことから、ハッブルバブルはただの論理学者の絵空事ではなくなるといいます。

もし、地球の周辺のローカルな宇宙だけが、外の高密度空間に引かれて加速膨張しているだけなのであれば、暗黒エネルギーも必要なくなります。

研究者はこうした大きな密度差のある領域が宇宙には多く存在するだろうと語っています。

果たして、どちらが事実なんでしょう? 宇宙の地域によって密度差のある泡に包まれているという方が、暗黒エネルギーという謎の存在を持ち出すよりは、それっぽいでしょうか?

皆さんはどちらを支持しますか?

「暗黒エネルギーは存在しない」ことを示す新説が登場

reference: UNIGE / written by KAIN

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