星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年4月】

science_technology 2020/04/01

春分も過ぎ、いつの間にか日が長くなったなと実感するようになりました。

気温が高くなった点は良いのですが、春は「春霞」という言葉がある通り、もやがかかって空が見えにくい日が多いです。

それでもよく晴れた日には、秋冬のカシオペヤ座に代わって高く昇る北斗七星が見え、星からも春の到来を感じることができます。

Credit: ofugutan 東から昇る北斗七星(2020年3月21日19時頃撮影)

北斗七星の「ひしゃくの柄」の先を、うしかい座の1等星アークトゥルス、おとめ座の1等星スピカとに順結んだ曲線は「春の大曲線」として知られます。つまり、北斗七星は春を代表する星座というわけです。

ぜひチェックして、春を感じてみてくださいね。それでは、星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年4月】をご紹介します。

Best3.8日(水):2020年でもっとも地球に近い満月「スーパームーン」が見られる

4月8日の11時35分に月が満月を迎えます。この日の満月は、今年もっとも地球に近く、大きく明るくなります。近年はすっかり「スーパームーン」の名前が定着していますよね。

逆に今年もっとも地球から遠い満月は、10月31日のハロウィンの日になります。このときと比較すると、4月8日の満月は視直径は約14パーセント大きく、約30パーセント明るく見えるそうです。

Credit: Pixaby

3位にした理由

Good!:「スーパームーン」の認知度が高く話題にしやすいし、月は誰でも知っていて観察も簡単。

Bad!:国立天文台によると、もっとも月が地球に近づくのが3時9分、それから満月になる瞬間が11時35分なので、日本ではまだ月が昇ってきていない。地平線に近いときの月が錯覚で大きく見えるので、そのときに満月になるのがベスト。とはいえ、そもそも目でスーパームーンを見て「今日の月が大きい」と実感するのは難しい。

Best2.28日(火)金星が最大光度に。2日前の三日月と接近も必見

3月25日に東方最大離角になり、高度がもっとも高くなった金星。夜8時でも明るく輝いている様子が見られたかと思います。

そこから少しずつ高度を下げていっていますが、4月28日にはもっとも明るく、マイナス4.5等の明るさになります。昼間の青空の中、肉眼で見つけられるほどとのこと。

望遠鏡でのぞくと、三日月のように細く欠けているのが確認できることでしょう。35倍ほどの低倍率の望遠鏡でOKです。

また、2日前の4月26日の19時頃には、三日月との接近が見られます。「W三日月」の観察を楽しんでみては?

Credit: 国立天文台

2位にした理由

Good!:「宵の明星」の観察ピークかつ、観測シーズンがクライマックスに近づいているので見ておきたい。また、わかりやすく、観察もしやすく、美しい。

Bad!:望遠鏡がないと、先月との違いが実感しにくいかも。ただ、双眼鏡でも何となく欠けているというのはわかると思うので、見てみると良い。三脚の使用を推奨。

Best1.3日(金)~4日(土)8年ぶりに金星がプレアデス星団に大接近。美の女神と7姉妹の共演

4月3日から4日に金星がプレアデス星団(すばる)に大接近し、プレアデス星団の一員のように20時頃に観察してみましょう。

Credit: ofugutan

プレアデス星団は、おうし座の近くにある散開星団です。3~5等星の生まれたばかりの星がまとまっていて、肉眼でも6~7個見ることができます。

ギリシャ神話では、プレアデスは巨人アトラスと妖精プレイオーネの間に生まれた七姉妹で、月の女神アルテミスに仕えていました。

可愛らしい七姉妹を見て気に入ったオリオン(オリオン座)が追いかけたので、アルテミスがプレアデスを鳩に変えて逃がしました。鳩たちは空高く飛んでいき、そのまま星になったそうです。

金星は美の女神ヴィーナスですから、美女たちの共演が見られるわけですね。プレアデス星団の近くを金星は8年ごとに通るので、今年は8年ぶりに見られるのだとか。

金星がプレアデス星団の中にあるよりも側にあるくらいのほうがバランス的に美しく感じるかもしれないので、前後の4月2日から4月5日にかけて、金星が近くを通っていく経過を見ていきましょう。

以下、実際に撮影したプレアデス星団と金星の写真を組み合わせて、どのように金星が移動するのかイメージしてみました。参考にしてみてください。

Credit: ofugutan

1位にした理由

Good!:レア度が高く、美しい。しかも見つけやすく、日程が週末の夜20時など、観察のしやすさが揃っている。望遠鏡で見ても写真に撮っても楽しめる。

Bad!:特になし。ただ、できれば双眼鏡か低倍率の望遠鏡(30倍程度)で観察すると、より美しさを堪能できるはず。

以上、今月の星の見どころベスト3【2020年4月】でした。

先月の「ベスト3」実際にどう見えた? レポート

さて、3月の「星の見どころベスト3」の観測はどうなったでしょうか。

残念ながら天候に恵まれず、「Best3」にあげた星食はまったく無理。

また、「Best2」にあげた天王星と金星の接近は、メインの10日だけでなく前後も天気が悪く、「これが天王星」とはわかりませんでした。

薄く雲がかかっているのと、高度が低いので街灯りにひっぱられて、星が撮影しにくいというのもあるかと思います。

Credit: ofugutan(2020年3月12日19時頃撮影)四角の範囲内に天王星があると思われるが、画像調整してもわからず。

しかし、「Best1」の惑星と月の集結は、18日~21日にかけて天候に恵まれ、連日観察に成功

1つの星座(今回はいて座)に火星、木星、土星という明るい外惑星がすべて集結するのは、2020年4月以来で20年ぶりという、見る価値のある天体ショーでした。

18日

太めの三日月の左側に、火星と木星、ちょっと離れて土星があります。東側(画像左のほう)に雲がかかってきていて、30分後には観察できなくなりました。

Credit: ofugutan(2020年3月18日4時15分頃撮影)

19日

天候に恵まれました。月の周りを3惑星が囲んでいる様子は、予備知識が何もない状態で見ても美しく感じられたはず。

南斗六星など、いて座の明るい部分の星も目でわかるくらいでした。

Credit: ofugutan(2020年3月19日4時15分頃撮影)

20日

雲がかかっていたので、30分観測時間が遅くなっています。より欠けた月はまだ東の低い空にあり、惑星の左に。

なお、水星の高度が24日に最大になるので、20日も観測が狙える高度になっているため月と4惑星で一緒に撮りたかったのですが、そこまでは無理でした。

Credit: ofugutan(2020年3月20日4時45分頃撮影)

ちなみに、20日と21日は下の左の画像のように、望遠鏡で覗くと同時に2惑星を見ることができるほど、木星と火星が接近(写真は星のソムリエ®の先輩にご提供いただきました)。

Credit: 坂中二郎(2020年3月21日5時10分頃撮影)

実際に見てみたのですが、4つのガリレオ衛星を従える木星と、赤い火星を比較して楽しむことができました。右の2つの画像は、左の画像の惑星部分をわかりやすく拡大したものです。

3惑星と月の並びの観測に再挑戦

ちなみに、観測しなかったけど、挑戦すれば良かった…と思っている方、実は今月も木星、火星、土星、月の並びを見ることができますよ。

15日から17日にかけて見られますが、17日が直線の並びに近く、月が細く欠けるので、見た目のバランスが良いと思います。

Credit: 国立天文台

ただ、問題は日の出が日々早くなっているので、早起きが辛いところ。先月の惑星と月の集合は5時起きでもギリギリ見られましたが、今月は4時起き推奨。

「今月の星の見どころベスト3」では、観測のしやすさも重視しているのと3月のほうがレア度が高いと思われたので、今回は「ベスト3」に入れませんでした。とはいえ、見る価値はあると思いますので、天文好きはぜひどうぞ!

星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年3月】

Reference: 国立天文台(1, 2, 3), 星空年鑑2020 / written by ofugutan

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