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「いつ引っ越したか」もわかる。人間の歯にはすべての生活が記録されていた (2/2)

2021.01.28 Thursday

2020.03.28 Saturday

前ページ歯にも「年輪」ができる

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歯の年輪は大きなストレスを記録する

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35歳の女性の大臼歯。拡大すると、妊娠に対応する暗い「リング」が明らかになる/Credit:Paola Cerrito

研究チームが知りたかったのは、人間にも表れる同様の「年輪異常」が、その人の人生のイベント(出産や更年期障害)と相関しているか、という点でした。

研究の結果、それらの相関性を確かに見つけることができました。

例えば、35歳の女性の歯では、2つの暗いリングが見つかり、それは彼女の2回の出産の時期に対応していたのです。

さらに、年輪のマークは、他の大きなストレスイベント(全身疾患、投獄、農村部から都市部への引っ越し)などとも対応していました。

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Credit:depositphotos

これらは、セメント質のストレスに対する「敏感さ」を示唆しています。

セリート氏によると、「歯は、静止しているわけでも、死んでいるわけでもありません」とのこと。

セメント質が証明しているように、歯は、確かに継続的に調整されており、生理学的プロセスに反応しています。

もちろん、今回の結果は、少数の個人でしか実証されていないため、更に大きなグループでの検証が必要となるでしょう。

今後、「歯の生物学的アーカイブ」の発見が、化石にも応用できるかもしれません。

太古からの唯一の情報源である骨や歯から、貴重な動的情報を汲み取ることができるかもしれないのです。

虫歯は自然に治す時代へ!歯の細胞自体を再生する治療法の臨床試験に成功

reference: inverse / written by ナゾロジー編集部

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