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チェルノブイリで森林火災が発生、放射線量が16倍に急上昇

2021.01.27 Wednesday

2020.04.09 Thursday

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2020年4月5日日曜日、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所周辺の立ち入り禁止区域にあるVladimirovkaの村の近く。放射線量が増加しており、火の近くでは更に増加しているという。/Credit:AP Photo/Yaroslav Yemelianenko

1986年に発生したチェルノブイリの原発事故から、すでに30年以上が経過しました。

今では安全とされる場所も多くなりましたが、最近起きた森林火災が、この地域の放射線量を再び増大させていると米国AP通信などが報告しています

調査の結果、通常より最大16倍も高い放射線が発生しているとのこと。

なぜこんな状況に陥ってしまったのでしょうか。

チェルノブイリの森林火災

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Credit:GoogleMAP

現場は、原子力発電所から半径30kmのチェルノブイリ立ち入り禁止区域内にある村です。

この場所では今でも立ち入り制限がかかっています。

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2020年4月5日に撮影された火災の様子。/Credit:Yaroslav Emelianenko / AFP

現在この地域は、短時間なら人が訪れても安全であるとされていますが、土壌、木や草などには放射性同位体が閉じ込められていて、火災などが起きた場合は再び大気中へ放出することになります。

火災中心付近で測定された放射線量は2.3μSv/h(毎時マイクロシーベルト)で、平時の値0.14μSv/hを大きく上回っています。

人間にとって安全の限界値と言われる放射線量は0.5μSv/h(日本では0.23μSv/h)なので、危険な数値といえます。

とはいっても、もちろんこれは火災現場近くで一時的に観測されたという話で、離れた場所まで危険の及ぶものではありません。この地区から100km離れたキエフ市では何も影響はないとのことです。

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