「ワクチン接種」が終息の立役者に
国内の封じ込めに成功したことで、非感染者への予防接種が強化されました。
そこで重要な役割を果たしたのが、2016年に西アフリカで製造されたワクチンです。
今回のコンゴでは、エボラ予防としては最大規模となる32万人以上にワクチンが接種されました。また、新規感染者には、24〜48時間以内を目安に迅速な対処をし、接触者やさらにその接触者まで追跡して、早期のワクチン接種を敢行しています。
その甲斐あって、昨年の5月頃から、国内のエボラ感染者がついに減少へと転じたのです。これがエボラ終息の始まりとなりました。
WHOは「もしワクチン接種を徹底していなければ、感染は今も拡大していたでしょう」と話します。
ところが、コンゴでは、エボラへの勝利ムードもつかの間、新型コロナウイルスという新たな脅威が迫っています。
両者は、動物から人に伝染するウイルスという点で共通していますが、エボラが症状の発症後にしか感染しない一方で、コロナは無症状でも感染するという恐さがあります。
すでにコンゴでは数名の新型コロナウイルス感染者が出ており、新たな敵との戦いが始まっています。