新型コロナウイルスで「嗅覚と味覚の喪失」を経験した患者は軽症が多いという研究結果

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新型コロナウイルスの一般的な症状は発熱ですが、この症状はインフルエンザにも共通するものです。ですから、「新型コロナウイルス特有の症状」を明確化することは、感染拡大の防止に繋がります。

最近テレビやネット上などで「嗅覚と味覚の喪失」が特有の症状として取り上げられていますが、米国カルフォルニア大学サンディエゴヘルスのキャロルH・ヤン氏らによって、これらの症状を経験した患者は症状が軽度であり、回復が早いとの報告がなされました。

嗅覚と味覚の喪失に要注意!

研究者たちは、3月3日から3月29日までに検査を受けたインフルエンザのような症状を持つ患者1480人を調査。その結果、その内102人が新型コロナウイルスの陽性反応を示しました。

陽性患者の症状を分析したところ、その内の71%が嗅覚と味覚の喪失を経験していました。さらに興味深いことに、喉の痛みを経験した患者の多くは陰性だったことも報告されています。

また、嗅覚と味覚を喪失した人は、他の症状を訴える患者と比べ、新型コロナウイルス陽性の可能性が10倍以上であることも明らかになりました。

ヤン氏は「新型コロナウイルス感染の最も一般的な初期症状は依然として『発熱』ですが、その次には『倦怠感』『嗅覚喪失』『味覚喪失』が続いています」と話しています。

症状が「嗅覚と味覚の喪失」なら、回復が早いかも?

研究では、「嗅覚と味覚の喪失」を症状として訴えた人は比較的早く回復したことが判明しています。

実際、これらの感覚障害は、通常感染後2~4週間以内に回復しており、そのタイミングは新型コロナウイルスからの回復のタイミングと一致していました。

その証拠に、嗅覚喪失を経験した患者の70%以上は、調査段階で既に嗅覚の改善を報告しており、残りの30%のほとんどは最近診断を受けたばかりだったといいます。

また、「嗅覚と味覚の喪失」を訴える患者たちの多くは、「症状が軽い」という結果も報告されています。

これまでのところ、韓国、中国、イタリアでは、新型コロナウイルス陽性と診断された患者の約3分の1が嗅覚の喪失を報告しており、その多くは他の症状が無い患者です。

とはいえ、「嗅覚・味覚を喪失しているから大丈夫」というわけでは決してありません。今回の情報もまだ研究段階であり、今後さらなる調査が必要となるでしょう。

「嗅覚と味覚」障害は生活に大きな影響を与えず、発熱や倦怠感に比べて見過ごされやすいもの。そのため、彼らのような軽度の症状を持つ人は感染源となる可能性が高いのです。

今回の研究は、医師の早期判断と患者の早期自覚に繋がり、新型コロナウイルス感染の抑制に役立っていくでしょう。

研究の詳細は4月12日、「International Forum of Allergy&Rhinology」に掲載されました。

point
  • 米国のある調査では、軽症な新型コロナウイルス陽性患者の70%以上が嗅覚と味覚の喪失を経験していた
  • 嗅覚と味覚を喪失する患者は、症状が軽度であり回復が早い

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reference: sciencealert / written by ナゾロジー編集部
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