免疫の獲得が「社会的特権」になった19世紀の黄熱から学べること

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新型コロナウイルスの影響で、職を失ったり、休業を余儀なくされる人が世界中で増えています。仕事がなければ生活ができませんし、世の中の経済も崩壊しかねません。

その解決策として、「免疫証明書」の発行を計画する国もあります。

これは「免疫を獲得した人をいち早く社会復帰させよう」というものですが、この計画は多くの危険をはらんでいます。

これから説明することは、単なる思考実験ではなく、実際に過去に起きた出来事なのです。

19世紀のニューオーリンズを襲った黄熱病

黄熱病(yellow fever)は、黄熱ウイルスを病原体とする感染症で、主にネッタイシマカ(蚊)により媒介されます。重症患者には黄だんが見られ、致死率は50%を上回ることがありました。

この黄熱病が、1830〜60年代にかけて、アメリカ・ルイジアナ州のニューオーリンズに大流行したのです。

当時は、街の衛生状態も悪く、現代のように医療が発達していなかったことから、感染症の流行や長期化が各地でよく見られました。

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