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地球に一番近い「褐色矮星」の大気はシマシマになっていることが判明!偏光観測では初の快挙

2021.01.27 Wednesday

2020.05.07 Thursday

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イメージ図/Credit NASA/JPL-Caltech/R.Hurt (IPAC)
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  • 大気層が縞状になっている褐色矮星を発見
  • 「偏光観測」を用いた発見は、今回が初の快挙

地球から「ほ座(Vela)」の方角へ約6.5光年離れた場所に「Luhman 16AB」という天体があります。

2013年に発見された、2つの褐色矮星(AとB)からなる連星系です。今までに見つかっている褐色矮星の中で最も地球に近く、注目の調査対象となっています。

そして今回、その内の「Luhman 16A」の大気表面が、縞模様のバンド状になっていることが明らかにされました。

褐色矮星でバンド状の大気層が発見されたのは初めてではありませんが、「偏光観測(polarimetry)」により見つかったのは初のことです。

偏光観測とは、一体どのような方法なのでしょうか。

研究は、カリフォルニア工科大学およびNASA・ジェット推進研究所の共同で行われています。

「偏光」ってなに?

光というのは、波のように振動しながら進む電磁波です。

その振動方向は、瞬間ごとに色んな方向へ不規則に変化しています。これが、いわゆる「自然光」です。

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自然光は振動方向がバラバラ/Credit: youtube

しかし、自然光は、物体の表面(大気層やガス、微粒子など)にぶつかると、振動方向が一定になります。

この光が「偏光(polarization)」です。

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モノ表面に当たると偏光化される/Credit: youtube

なので、自然光は「偏光化されていない光(unpolarized light)」とも呼ばれます。

天体から放たれる偏光を調べることで、大気の分布や磁場の強さなどがわかります。

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偏光は振動方向が一定になる/Credit: youtube

次ページどうやって「偏光」を観測する?

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