アメリカで「爆発クジラ記念公園」というヘンな名前の施設が誕生! 50年前の”肉の雨事件”がキッカケに

story_fun 2020/06/22
クジラを爆破した瞬間/Credit: youtube

今月13日、米西海岸にあるオレゴン州・フローレンス市にて、珍妙な名前を持つ公園が誕生しました。

その名も「爆発クジラ記念公園(Exploding Whale Memorial Park)」

施設自体は元からあるものですが、市当局が公園の新しい名前を一般公募で募り、最終的に投票で選ばれたのがこの名前でした。

このヘンテコな名前が選ばれた理由は、50年前のある事件にあったようです。

町に降り注いだ「クジラの死肉」事件

事件が起きたのは50年前、1970年の11月12日でした。

フローレンス近郊の浜辺に、全長14メートル、体重8トンもある巨大なマッコウクジラが打ち上げられたのです。クジラはすでに死んでおり、ひどい死臭を放って、近隣住民を悩ませました。

当時の様子は、地元報道局によって撮影されています。

実際に打ち上げられたマッコウクジラの遺骸 / Credit: youtube

しかし、オレゴン歴史協会の話によると、引き上げたり、砂中に埋めるにはあまりに巨大すぎたので、ダイナマイトを使ってこっぱ微塵にするという案が出たとのこと。

爆破でクジラを細かくすることで、海鳥やカニが死肉をついばみ掃除してくれることを期待したのです。

結局、作業員が半トンの爆薬を用いて、クジラを盛大に爆破させました。

埋立るには巨大すぎた / Credit: youtube

しかし、爆破スイッチを押した瞬間、事件は起きました。

当時、リポーターを務めたポール・リンマン氏の言葉を借りると、「The blast blasted blubber beyond all believable bounds(爆破は予想された範囲をはるかに超えて、クジラの死肉を吹き飛ばした)」のです。

リポーターのポール・リンマン氏 / Credit: youtube
爆破で巻き上がった死肉や血しぶき / Credit: youtube

クジラの死肉は、近くで見物していた作業員や近隣住民、報道員たちの頭上に降り注ぎました。それだけでなく、細かい血しぶきは、はるか遠くまで吹き飛び、フローレンスの町が腐臭に包まれたのです。

中には、大きな肉片が現場から400メートルも離れた駐車場まで飛び、車の屋根を粉砕しました。食堂やコインランドリーも血にまみれ、近くにいた歩行者は、クジラの血脂でびしょ濡れになったそうです。

死肉で潰れた車 / Credit: youtube
クジラの肉片が見える / Credit: youtube

しかも、クジラ本体は、爆破後も大部分が巨大な塊のまま残り、結局、清掃員が砂浜に埋め立てることになりました。

このクジラ爆発事件は、フローレンスの住民に衝撃を与え、その後も語り継がれることになるのです。

こちらが、当時のニュース映像

投票の過半数を占めて決定!

クジラの爆発から今年の11月で、ちょうど50周年を迎えます。

フローレンス市当局は、5月に行われる町のフェスティバルにて、公園の新しい名前を発表する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でフェスティバルは中止。

結局、市当局は、今月13日に、新たな名前とともに公園の除幕式を行いました。

現在の浜辺/Credit: Courtesy of the City of Florence

一般公募では124個の案が寄せられ、そこから9つが最終選考に残りましたが、その大半がフローレンスの自然に関するものでした。

例えば、うねる波に因んだ「Rolling Tides Community Park」、砂丘の景観を表す「Dune View Park」、町の木々を冠した「Little Tree Park」などです。

しかし、市民投票856票の内、過半数を超える439票を勝ち取って選ばれたのは、「爆発クジラ記念公園(Exploding Whale Memorial Park)」でした。

新しい公園の看板とマスコット/Credit: Courtesy of the City of Florence

やはり、近隣住民にとってはクジラ爆発事件のインパクトが強かったようです。

この名前がついたことで、事件は今後もフローレンスの人々で語り継がれることでしょう。

化粧品「マスカラ」が野生動物の救世主になっている話

reference: livescience / written by くらのすけ
ナゾロジーは皆さんの身近にある”素朴な疑問”を解決する科学情報メディアです。
最新の科学技術やおもしろ実験、不思議な生き物を通して、みなさんにワクワクする気持ちを感じてもらいたいと思っています。
Nazologyについて
記事一覧へ
あわせて読みたい

SHARE

TAG