南極で見つかったカエルの化石が「 超大陸ゴンドワナ」の存在を証明! カエルが世界中にいる理由があきらかに

animals_plants 2020/06/27
4000万年前の南極にいたカエル(イメージ)/Credit: nature

カエルは、世界中どこでも見られるポピュラーな生き物ですが、南極大陸には存在していません。氷に覆われた荒地にカエルの住む余地はないからです。

ところが最近、スウェーデンの国際研究チームにより、約4000万年前のカエルの化石が南極で見つかったと報告されています。

現生する両生類の化石が南極で見つかったのはこれが初めてです。

氷上を飛びまわるカエルの姿など想像もつきませんが、化石の分析から、当時の南極には今とまったく違う環境だったことが示されています。

さらに、カエルの化石は、かつての超大陸「ゴンドワナ」の存在も裏付けているのです。

横断不能な場所で見つかるのはなぜ?

化石が出土した場所は、南極で唯一、堆積物が氷土の下に埋まっていないシーモア島です。

見つかったのはカエルの頭蓋骨と骨盤の一部であり、それを調べてみると、南米原産のカエル属「カリプトセファレラ(Calyptocephalella)」にそっくりであることが分かりました。

見つかった頭蓋骨の一部/Credit: nature
見つかった骨盤の一部/Credit: nature

しかし、現生するカリプトセファレラ属は、チリのアンデス山脈に生息する「Calyptocephalella gayi」という1種類しかいません。これに最も近い種は、遠く離れたオーストラリアに生息しています。

チリとオーストラリアの間に陸路はありませんし、カエルが大海原を泳いで渡れるわけがありません。「なぜ近縁種が遠く離れた2つの場所に存在するのか」、これが専門家にとって大きな疑問となっていました。

ところが、南極で見つかった化石が、この問題を解決してくれるのです。

南極大陸はかつて「架け橋」となっていた

チリ原産のカエルの骨(紫)とオーストラリア原産のカエルの骨(青、緑)/Credit:nature

その根拠となるのが、大陸の分裂と移動です。

かつて地球上の大陸は、互いにひとつに繋がった超大陸・パンゲアを形成していました。それが約1億8000万年前に、北のローラシアと南のゴンドワナに分裂し始めます。

さらに、ゴンドワナは、6500万年前頃から、今日の南アメリカ・アフリカ・オーストラリア・インド・南極へと分かれていきました。

Credit: ja.wikipedia

その分裂初期、南極大陸は、オーストラリアと南アメリカを中継する架け橋だったのです。つまり、当時のカエルは、オーストラリア〜南極〜南アメリカへと移動可能だったと考えられます。

そして、大陸の移動が進み、二度と元の大陸に戻れなくなると、それぞれの地で違う道を歩んでいったのでしょう。南極で見つかったカエルの化石は、まさしくゴンドワナの分裂と移動の事実を裏付けています。

また、カエルの化石は、南極が寒冷化する以前の環境についても教えてくれます。研究チームによると、カエルが生きた当時の南極は、温暖で湿潤な気候に、年間降水量がおよそ900ミリに達していたとのことです。

不運にも南極に残ったカエルは、その後の寒冷化を生き伸びることができず、絶滅していきました。

しかし、かつての南極には、このようなユートピアが広がっていたと思われます。

Credit:nature

 

研究の詳細は、4月23日付けで「Scientific Reports」に掲載されました。

First fossil frog from Antarctica: implications for Eocene high latitude climate conditions and Gondwanan cosmopolitanism of Australobatrachia
https://www.nature.com/articles/s41598-020-61973-5

「超大陸パンゲア」に現代の国境が描かれた画像がスゴイ

reference: popsci / written by くらのすけ
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