手術中に血液や腸が浮遊する?
一番の争点となる「微小重力下での外科手術」は不可能ではありません。実際、ラットを用いた外科手術はすでに成功しています。
問題は、皮膚切開に当たって、体内の腸や血液が浮遊してしまい、術者の視界が不明瞭になることです。浮遊する血液は、器具や術者に付着して、衛生面も悪化させます。
ラットより大きな人となると、その影響はもっと大きくなるでしょう。
そのため、微小重力下での手術は、できるだけ小さい皮膚切開に留め、そこから小型カメラや特殊な器具を用いる「低侵襲手術(Minimally Invasive Surgery)」が適当と思われます。
また、器具が飛んでいかないよう、それらを磁化させて手術台に固定する方法も検討されています。