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ハーバード大とマサチューセッツ工科大が新しい「再利用可能マスク」を開発! フィルター交換のみでN95マスクと同等の効果 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.07.24 Friday

前ページ不足する医療用マスク

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再利用可能な新しいマスク

彼らが考えたのは耐久性が高く、成形の容易なシリコンゴムで作られた再利用可能なマスクです。

このマスクは吸気口にフィルターを使用した簡易版ガスマスクのようなデザインで、フィルター部分だけ交換すれば、残りの部分は滅菌して再使用できます

画像

Credit:Byrne et al.,BMJ Open(2020)

さらにこのマスクは、世界中の工場で広く利用されている射出成形で生成でき、任意の形状で簡単に大量生産ができるように設計されています。

これでN95マスクよりはるかに少ない材料で素早く生産でき、廃棄部分も最小限のマスクを生み出したのです。

このシリコン材料は、テストの結果、蒸す、漂白剤に漬けるなどの滅菌処理でも損傷を受けないことが確認されています。

また参加者20人に対して適合テストを行ったところ、20人全員が適切に利用できたという結果が得られました。

N95マスクは顔にフィットするという名目はありますが、実際は顔に隙間ができてしまうなど、うまくフィットしない人がいる問題を抱えていました。

さまざまな成形が容易なシリコン材料のこのマスクでは、そうした問題も解決できる可能性があります。

現在研究者たちは、より快適で耐久性のあるマスクにするために第2バージョンを開発中とのこと。

きちんとウィルス粒子を濾過できるマスクを確保することは、医療者の間では重要な問題になっており、マスクの確保は国家財政を圧迫する問題にもなっています。

これだけ大量にマスクを日常的に消費するようになると、全てを一回で使い捨てにするというのはもったいない、家計の負担と感じている人も多いと思います。

これまでの使い捨てが当たり前というマスクのデザインは、見直される時期に来ているのでしょう。

この研究はMIT機械工学部、ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院などの研究チームにより発表され、論文は英国医師会の読付きオープンアクセス医学誌「BMJ Open」に7月9日付けで掲載されています。

Injection Molded Autoclavable, Scalable, Conformable (iMASC) system for aerosol-based protection: a prospective single-arm feasibility study
https://bmjopen.bmj.com/content/10/7/e039120

マスクの格付けが発表される。 あなたはどのタイプのマスクを使っている?

reference: MIT News,sciencealert/ written by KAIN
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