ブラックホールに落ちるとき、事象の地平線に近づくほど人はスパゲッティのように引き伸ばされてしまう。
ブラックホールに落ちるとき、事象の地平線に近づくほど人はスパゲッティのように引き伸ばされてしまう。 / Credit: Leo Rodriguez and Shanshan Rodriguez, CC BY-ND
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ブラックホールの中に入って人間が調査をすることは可能なのか?

2021.02.10 Wednesday
the conversation https://theconversation.com/could-a-human-enter-a-black-hole-to-study-it-153364

海外の科学ニュースサイト「The Conversation」にブラックホールに関する素朴な疑問が寄せられました。

「人間は研究のためにブラックホールに入ることは可能なんですか?」

この疑問に対して、アメリカ・グリネル大学の二人の物理学者、レオ・ロドリゲス助教授とシャンシャン・ロドリゲス助教授が明快な回答をしています。

通常ブラックホールに近づいた場合、人はスパゲッティ化現象という問題にぶつかり、引き伸ばされて死んでしまうとされています。

しかし、彼らの答えによると、スパゲッティ化を回避する方法があるといいます。それは一体どういうものなのでしょう?

2種類のブラックホール

ブラックホールの事象の地平線。
ブラックホールの事象の地平線。 / Credit:Wikipedia

宇宙には、実はさまざまな種類のブラックホールが存在しています。

今回の議論に関しては、大きく分けて2つのタイプのブラックホールが問題になります。

1つは回転せず、帯電もしていない電気的に中性な太陽質量のブラックホール。

2つ目は、回転していて帯電しており、太陽の数百万倍から数十億倍というとんでもない質量を持った、超大質量ブラックホールです。

この2つのタイプのブラックホールは、質量の差に加えて、区別するためにもう1つ重要な要素があります。

それが中心から「事象の地平線(または地平面)」までの距離を示す、シュバルツシルト半径です。

ブラックホールの中心から、重力が強すぎて抜け出せない場所までの距離を事象の地平線と呼ぶ。
ブラックホールの中心から、重力が強すぎて抜け出せない場所までの距離を事象の地平線と呼ぶ。 / Credit: Leo Rodriguez and Shanshan Rodriguez, CC BY-ND

事象の地平線とは、飲み込まれたら二度と帰ってくることのできないブラックホールの境界を言います。

このラインより内側は、引力が強すぎるために宇宙で最速を誇るでさえ抜け出すことはできなくなります。

事象の地平線の内側へ飲み込まれたものは、私たちの既知の宇宙から永遠に消え去ってしまうのです。

しかし、私たちがブラックホールに近づいた場合の問題は、この事象の地平線へ至る前の段階で起きると言われています。

それがスパゲッティ化現象と呼ばれるものです。

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