ポルトガルで「史上最強レベル」の新種恐竜を発見! ”ルシタニアの狩人”の異名を持つ

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新種「ルソベナトール・サントシ」の復元画/Credit: Carlos de Miguel Chaves

ポルトガル・リスボン大学、スペイン国立通信教育大学により、新種の肉食竜が新たに発見されました。

ポルトガルのルシタニア盆地で見つかったことから、学名は「ルソベナトール・サントシ(Lusovenator santosi、ルシタニアの狩人)」と命名されています。

調査の結果、新種は、史上最強の肉食竜の一群である「アロサウルス上科カルカロドントサウリア類」に属することが分かりました。

また、北半球で見つかったカルカロドントサウリア類では最古の化石とのことです。

北半球最古の「カルカロドントサウリア」か

研究チームは、過去20年間の発掘調査で、数十個の化石断片を発見。そこから新種の「ルソベナトール・サントシ」を2体特定しました。

1体目は、約1億5300万年前に生きた幼体で、2体目は、それより800万年ほど後の1億4500万年前に生きた成体の化石でした。ともにジュラ紀(約1億9960万〜1億4550万年前)の後期に当たります。

Credit: tandfonline

分類としては、ジュラ紀後期〜白亜紀前期(だいたい1億5000万〜1億年前)に存在したカルカロドントサウリア類に含まれていました。

以前、東アフリカのタンザニアで約1億5400万年前のカルカロドントサウリア類の化石が見つかっていますが、北半球で見つかったものでは最古となります。

Tレックスより強い?史上最強の「カルカロドントサウリア」とは

Credit: ja.wikipedia

アロサウルス上科のカルカロドントサウリア類は、地球上に存在した捕食者の中でも史上最強レベルの集団です。

その代表である「カルカロドントサウルス」は、全長12〜14メートルに達し、Tレックスと同等かそれ以上の体格とパワーを誇りました。

他にも、ギリシャ語で「暴君の巨人」を意味する「ティラノティタン」や史上最強の肉食竜に数えられる「ギガノトサウルス」などがいます。

要するに、カルカロドントサウリアは「最強遺伝子」を共有する肉食竜の集まりなのです。

「カルカロドントサウルス」の復元画/Credit: ja.wikipedia

その一方で、北半球で見つかったカルカロドントサウリアの化石は、白亜紀前期に限定されており、それ以前のジュラ紀には、まだ北半球で繁栄していなかったのではと考えられていました。

しかし、「ルソベナトール・サントシ」の発見により、従来の予想より2000万年前には、すでに北半球を牛耳っていたものと思われます。

イベリア半島が移動の中継ポイントに?

2億年前の大陸の位置/Credit: ja.wikipedia

また、研究主任のエリザベーテ・マラファイア博士は「カルカロドントサウリアの分散は、ポルトガル・スペインを含むイベリア半島が重要な中継点になったのではないか」と推測します。

同じような大型肉食竜の化石は、先ほど話した東アフリカのタンザニアだけでなく、北アメリカ大陸でも見つかっています。

2億年前の大陸は、パンゲアとしてひと繋ぎになっており、1億8000万年前に北のローラシアと南のゴンドワナに分裂。その後、ローラシアもユーラシア大陸と北アメリカ大陸に分かれていきました。

その際、アフリカに行くにしても北アメリカに行くにしても、イベリア半島が中継ポイントになったものと思われます。

ルソベナトール・サントシは、出イベリアの先駆者として、世界各地に移動していったのかもしれません。

研究の詳細は、7月10日付けで「Journal of Vertebrate Paleontology」に掲載されました。

A new carcharodontosaurian theropod from the Lusitanian Basin: evidence of allosauroid sympatry in the European Late Jurassic
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02724634.2020.1768106

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