壺に記された「LMLK」とは?
遺跡は、エルサレム旧市街地から約3キロの地点に見つかりました。
印章のおかげで年代がかなり正確に特定できており、紀元前8〜7世紀半ばのヒゼキヤ王、マナセ王治世下の施設と判明しています。
似たような印章は、これまでにも他の遺跡で2000点以上見つかっており、今回のも含めて、ユダ王国の行政および徴税システムを理解するための貴重な資料となります。
印章には、ヘブライ語で「LMLK(LamMeLeKh=王に属する)」を意味する文字が使われていました。国に納める税は、現代のようなお金ではなく、ワインやオリーブオイルといった農産物だったようです。
手順としては、農産物を壺の中に入れ、役人たちが印章を押すといった形でしょう。
また印章の他にも、粘土製の偶像と思われる一連のコレクションが見つかっています。女性の頭部や騎馬の乗り手、動物をかたどった像がありました。
これらは一般に、異教崇拝や偶像崇拝に使われたものと解釈されており、聖書によれば、ユダ王国では偶像崇拝が流行していたようです。
研究主任のネリア・サピル氏は「イスラエルで発見された印章の中でも最大規模であり、当時、この施設はユダ王国の行政の中心として機能していたのでしょう」と話しています。