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生物の「体脂肪をモデルにした電池」が開発中。従来の電池の72倍もエネルギーを貯める (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.20 Thursday

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脂肪蓄積を模倣した「分散型」亜鉛電池は72倍のエネルギーを蓄える

新しい電池は亜鉛電極が利用されており、電解質膜を介してエネルギーを蓄積および転送することで機能します。この電解質膜はアラミドナノファイバーと水ベースのポリマーゲルで成り立っているとのこと。

これらの素材は安価かつ豊富であり、現在使用されている電池よりも環境に優しいものです。

さらにリチウムイオン電池が可燃性であるのに対し、新しい亜鉛電池は損傷しても発火しません。

画像
Credit:michigan

そして新しい電池は「分散型エネルギー貯蔵」が可能です。

人間を含む生物は単一の脂肪袋ではなく、複数の脂肪袋をまんべんなく持っています。そのため、体全体に脂肪を蓄えることができます。

仮に身体の一部だけに脂肪全てが蓄えられるとしたらどうなるでしょうか?他は一切脂肪がなく、二の腕だけに十キロ以上の脂肪がぶら下がることになります。この場所がお腹でも太ももでも、活動に支障を与えるでしょう。

実はこれまでのロボットは、このように「ほとんどの生物とは異なった構造」をしていました。一部だけに脂肪(電池)を集中して積んでいたのです。そのためまとまったスペースが必要でしたし、エネルギー効率も悪くなっていました。

さて、今回開発された新しい電池はロボットに対して脂肪のように分散して装着できます。これにより、リチウムイオン電池1つを搭載した場合の72倍もの電気容量が得られました。

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