「驚異の178Tbps」世界最速のインターネット速度が樹立される!100GBのゲームも1秒未満でダウンロード可能

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都市部のインターネット回線は利用者の増加によってパンク気味になっていて、集合住宅ではあまりの低速回線にイライラしているという人もいるかもしれません。

しかし、インターネット回線の技術自体はどんどん進歩を続けており、実験室レベルではこれまでで最速となるデータ転送速度の新記録が樹立されました。

その回線速度はなんと驚異的な178Tbps(毎秒178テラビット)です。これはNetflixの全動画を1秒未満でダウンロードできる速度だといいます。

一般家庭にもこの回線が普及する日は近いのでしょうか?

世界最高速のインターネット回線とは?

研究チームの代表Lidia Galdino氏。/Credit:James Tye / UCL

ネット回線の記録更新を果たしたのは、XteraKDDI Researchの2社が協力し、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)電気電子工学科のLidia Galdino博士が代表をつとめる研究チームです。

これまで世界最速のデータ伝送速度記録を保持していたのは日本の研究チームでしたが、Galdino博士のチームはその速度記録を一気に5倍も更新してしまいました。

毎秒178テラビットというこのデータ転送速度は、サイズが15GBある4K動画を1秒間に1500件ダウンロードできる速度です。100GBを超えるゲームのダウンロードなら1秒もかかりません。

こうした光速のデータ伝送は、現在光ファイバーで一般的に使用されているよりもはるかに広い範囲の波長でデータを伝送することで達成されています。

現在のインフラでは4.5THzに制限されたが使用されており、新しい規格では9THzの商用のシステムも市場に参入し始めていますが、研究チームが使用したのは16.8THzのです。

広いでの利用を実現

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一度に大量のデータを送るには、さまざまな波長の光にデータを乗せてそれらが混ざらないようにする必要があります。

研究チームは通常データ送信に使用されるよりはるかに広い波長の光を使い、これを実現するために信号の強度を増強する複数の増幅器術を組み合わせました。

信号伝送を最適化し、波長ごとの干渉を避けるためにコンステレーション・シェーピングと呼ばれる方法を使って、個々の波長の特性を慎重に管理しています。

こうしたいくつもの技術を組み合わせることで、情報が途中で欠損することなく、より多くの情報を同じ空間に詰め込み、より速く伝送することを可能にしたのです。

178Tbpsという新記録は、データ転送の理論的限界を押し広げるものです。

何より素晴らしいのは、今回の研究がのルート上に配置された増幅器をアップグレードするだけで、既存のインフラにこの成果を組み込むことが可能だということです。

これは新しい規格で通信インフラを換装するよりも少ない費用で、通信速度の高速化を実現できるのです。

一般利用への応用が可能

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近年はCOVID-19の世界的な流行によって、仕事もインターネットを介して行われることが増えてきました。

会議やちょっとした仕事のやりとりも、雑談さえネットを介して行うという人は今や多数を占めているでしょう。

そうでなくとも、ここ10年間でインターネットのトラフィックは指数関数的に増加していて、データ需要の増加は1ビットあたりのコストを引き上げてしまっています。

こうした中で多くの科学者たちは、既存の通信回線を利用して、より多くの情報を圧縮して送信できるアイデアを模索しています。

より速く情報を光に変換し、それらの光信号が互いに干渉しないようバランスを取る仕組みです。

今回の研究は、既存の通信インフラをそのまま利用して、いくつかのポイントに増幅器を設置するだけで飛躍的に通信速度が改善できる可能性を示しています。

今回の研究者Galdino博士は「この新技術開発は、低コスト化の傾向を維持したまま、今後増え続けるデータ需要を満足させ、さらに人々の生活を一変させるような今後登場するかもしれない新しいアプリケーションに対応していくために極めて重要なものです」と語っています。

通信速度の世界記録を大幅に更新させた研究成果は、近い未来で既存の回線をアップデートさせてくれるかもしれません。

そうなったら、通信速度にイライラしているという人も、問題が解決することでしょう。

 

この研究は、UCLのLidia Galdino博士率いる研究チームより発表され、論文は科学雑誌『IEEE Photonics Technology Letters』に7月20日付けで掲載されています。

Optical Fibre Capacity Optimisation via Continuous Bandwidth Amplification and Geometric Shaping
https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/9144561

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reference: UCL,sciencealert/ written by KAIN
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