アルプスの氷河が溶け出し「400年前のヤギのミイラ」が露出!体毛がなく”革のような皮膚”に驚き

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Credit: Esercito Italiano/Comando Truppe Alpine

イタリア北部に位置するアルプス山脈の氷土から、約400年前に死んだヤギのミイラが発見されました。

正式には、主に南ヨーロッパに生息するヤギ亜科の「シャモアという動物とのことです。

発見したのはイタリア人の登山家で、スキー大会のチャンピオンに輝いたこともあるヘルマン・オベールレヒナー氏。

同氏は「ミイラの皮膚は体毛がなく革のようになっていて、こんなものは一度も見たことがありませんでした」と話しています。

瑞々しい「シャモア」のミイラ

シャモアのミイラが見つかったのは、イタリア北端の町ヴァッレ・アウリーナから徒歩6時間の場所にあるアルプスの高地です。

オベールレヒナー氏は「地面から奇妙な突起物が出ているのに気づいて掘り返してみると、凍りついたヤギのような動物でした。すぐに写真を撮って、専門家に連絡しました」と当時を振り返ります。

ヘルマン・オベールレヒナー氏/Credit: dailymail

連絡を受けたユーラック研究所の専門家によると、シャモアのミイラはそれを覆い隠していた氷河が溶けたことで露出したそうです。

その姿は、400年前に死んだとは思えない瑞々しさを留めています。

シャモアの頭部/Credit: Esercito Italiano/Comando Truppe Alpine

また、このミイラは1991年に発見された約5300年前の「アイスマン」を彷彿させ、古代DNAのより良い保存方法を知るための貴重な資料となります。

同研究所のアルバート・ツィンク氏は「今後の目標は、シャモアを分析して、世界的に有効な氷土ミイラ保存のための新たなプロトコルを提示すること」と話しています。

標高3200mから慎重に移送

一方、調査のためには、シャモアのミイラを傷つけず慎重に運び出す必要がありました。ミイラが出土したのは標高3200メートルの高地であり、人手で運びながら下山するのは不可能です。

そこで研究チームは、イタリアの山岳歩兵隊であるアルプス陸軍部隊に協力を依頼し、特殊なケースにミイラを収容してから、ヘリコプターに吊るしてボルツァーノにある研究所まで移送しました。

ミイラは腐食が進まないよう、マイナス5度で保存されています。

Credit: Esercito Italiano/Comando Truppe Alpine

現在、シャモアのミイラは、DNAや体組織が良い状態で保存されていますが、熱を受けると徐々に劣化し始め、貴重な遺伝情報も欠損していきます。

ツィンク氏は「保存条件が変わったときに、DNAがどのように変化するかを理解するサンプルとなり、今後のミイラ保存方法の模索に役立つでしょう」と話しました。

と同時に、近年の温暖化により氷河の溶解が進んでいることを踏まえると、今回の発見はミイラ大量出土の幕開けに過ぎないのかもしれません。

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