瑞々しい「シャモア」のミイラ
シャモアのミイラが見つかったのは、イタリア北端の町ヴァッレ・アウリーナから徒歩6時間の場所にあるアルプスの高地です。
オベールレヒナー氏は「地面から奇妙な突起物が出ているのに気づいて掘り返してみると、凍りついたヤギのような動物でした。すぐに写真を撮って、専門家に連絡しました」と当時を振り返ります。

連絡を受けたユーラック研究所の専門家によると、シャモアのミイラはそれを覆い隠していた氷河が溶けたことで露出したそうです。
その姿は、400年前に死んだとは思えない瑞々しさを留めています。

また、このミイラは1991年に発見された約5300年前の「アイスマン」を彷彿させ、古代DNAのより良い保存方法を知るための貴重な資料となります。
同研究所のアルバート・ツィンク氏は「今後の目標は、シャモアを分析して、世界的に有効な氷土ミイラ保存のための新たなプロトコルを提示すること」と話しています。