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Credit:qwake.tech
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“拡張現実”を使って火災救助をサポートする「AR消防士用マスク」が開発中

2021.01.27 Wednesday

2020.09.14 Monday

火事による死亡原因のほとんどは煙による一酸化炭素中毒・窒息だとされています。煙が人々の視界と行動を奪うため、多くの人はそのまま炎の餌食となってしまうのです。

同様に煙は消防士たちの救出活動も妨げてきました。

こうした現状を打開すべく、サム・コスマン氏をCEOとするQwake TechnologiesはAR(拡張現実)を利用した消防士用マスク「C-THRU」を作成しました。

このマスクを装着すると、煙の中でも瞬時に建物の構造や人の位置が把握できるようになるのです。

thekidshouldseethis https://thekidshouldseethis.com/post/qwake-technologies-c-thru-ironman-ar-firefighter-helmet-video

従来の消防士用マスクとAR(拡張現実)

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Credit:qwake.tech

煙が充満する建物内での捜索は困難を極めます。もちろん、これまでにも様々な技術が導入されており、その中の1つに熱感知カメラがあります。

熱の違いを画像として確認できるため、生存者を容易に発見できるでしょう。

しかしこの技術も完全ではなく、熱を感知する性質上いくつかの制限がありました。

そのためコスマン氏らは、新しい技術を導入することでさらに迅速かつ正確な捜索を可能にしようと考えたのです。

彼らが注目したのは、「AR(英: Augmented Reality、拡張現実)」でした。

ARとは実際の景色や地形などに、コンピュータを利用して付加的な情報を与える技術です。

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Credit:qwake.tech

よく対称的な例として挙げられるのが、「VR(英: Virtual Reality、仮想現実)」でしょう。

VRはコンピュータの中に現実のような世界を構築する技術であり、3D技術の発展と共にゲームや映像作品、訓練シミュレータなどに利用されてきました。現実では難しいことを容易に体感できるという利点があります。

逆にARは現実に焦点を当てた技術です。現実とコンピュータの情報をリンクさせる必要があるため、GPSやカメラ機能の発展と共に活用されてきました。例えば社会現象ともなった「ポケモンGO」もARに含まれます。

次ページAR(拡張現実)で救助を容易にする「C-THRU」

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