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ホオジロザメが”恐怖”で1年間も縄張りから逃げ出す「海のギャング」がいると判明

2021.01.27 Wednesday

2020.09.15 Tuesday

sciencealert https://www.sciencealert.com/turns-out-there-s-another-ocean-creature-that-scares-the-hell-out-of-great-white-sharks

ホオジロザメといえば数多く作成されているサメ映画の主役であり、人間が海でもっとも恐れる生き物の1種でしょう。

しかし、ホオジロザメは海で最強の生物というわけではなく苦手な相手がいます。それがシャチです。

2019年4月に科学雑誌『Scientific Reports』に掲載された論文では、大規模な調査の結果、ホオジロザメは自らの狩場でシャチを見かけると、ものの数分で逃げ出し、次のシーズンまで帰ってこなくなると報告されています。

サメよりシャチのほうが強い、という話はたびたび耳にしますが、傍若無人に思えるホオジロザメがそこまでシャチを恐れる理由はなんなのでしょうか?

GPSタグをつけた海洋生物の大規模な調査

この研究では、チームは2つの調査から収集したデータを分析しています。

1つは2006年から2013年にかけてGPSタグをつけたホオジロザメ165頭の行動記録。

そしてもう1つはサンフランシスコ沖にあるファラロン島で27年に渡って収集された、シャチサメ、アザラシの個体数データです。

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Credit:Salvador J. Jorgensen et al.,Scientific Reports(2019)

またチームはファラロン国立海洋保護区で、ホオジロザメとシャチが遭遇した4回の記録もデータと照らし合わせて分析を行いました。

その結果明らかになったのは、この海域にシャチが現れるたびに、ホオジロザメは非常に素早く退散しいなくなってしまうということでした。

それはただシャチがこの海域を通り過ぎただけで、1時間も滞在していなかったとしても、ホオジロザメは数分以内に逃げ出してしまい、次のシーズンまで1年近く同じ海域に近づかなくなったのです。

この出来事で恩恵を受けるのが、ホオジロザメの捕食対象であるゾウアザラシです。

モントレー・ベイ水族館の海洋生物学者スコット・アンダーソン氏によると、ファラロン島では、季節ごとに平均して40頭のゾウアザラシがホオジロザメに捕食されています。しかし、シャチが現れたあとサメによる被害は1頭も発生しなくなるというのです。

シャチはアザラシを襲って食べることもありますが、それは旅をするシャチであり、そうした個体はあまり多くありません。通常のシャチは魚を主食にしているため、アザラシはしばらくの間、安全に暮らせるようになるのです。

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