大量絶滅年表。
大量絶滅年表。 / Credit:D. Bonadonna/ MUSE, Trento
geoscience

新しい「大量絶滅イベント」を発見!恐竜が勢力を伸ばしたきっかけが明らかに

2021.01.27 Wednesday

2020.10.03 Saturday

2億3300万年前、カナダの西海岸にあたる地盤で巨大な火山噴火が起こり、二酸化炭素、メタン、水蒸気が大量に大気中へ解き放たれました。

この激しい爆発により太古の地球は大規模な温暖化に見舞われました。

9月16日に科学雑誌『Science Advances』に掲載された新しい研究は、これが新しい大量絶滅イベントであった可能性があり、この出来事がきっかけで恐竜たちの台頭始まったと報告しています。

大量絶滅イベントは、「ビッグファイブ」の名で知られる通り地球上では5回発生しているというのがこれまでの通説でした。

果たして新発見となる6番目の大量絶滅とはいかなるものだったのでしょうか?

University of Bristol https://www.bristol.ac.uk/news/2020/september/mass-extinction.html , sciencealert https://www.sciencealert.com/scientists-identified-the-mass-extinction-that-triggered-the-dawn-of-the-dinosaurs

地球に起きた変革「カーニアン湿潤化イベント」

三畳紀後期の世界地図。
三畳紀後期の世界地図。 / Credit:en.Wikipedia

恐竜が出現し始めた約2億3000万年前は、地質年代では後期三畳紀の初めにあたる時代で、カーニアンと呼ばれています。

この時期にはカーニアン湿潤化イベント(Carnian Pluvial Event: 以下、CPE)と呼ばれる地球規模の気候変動が発生して生物相に大きな変化が起こっていたと考えられています。

この出来事は1980年代に注目されましたが、その証拠となる地質はヨーロッパの一部地域に限定されていました。

その後の調査で、この時期にはアンモナイトの絶滅など海洋生物の大規模な入れ替えが起きていたと確認されていましたが、CPEとの関連については年代測定技術がまだ未熟だったこともあり、明らかではありませんでした。

しかし、中国地質大学イギリスブリストル大学などの共同による研究チームが、この時期のすべての地質学や生物学的な証拠を検討して、何が起きたのかを明らかにしたのです。

次ページこれまで知られていなかった新しい大量絶滅イベント

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