第三の前腕動脈「正中動脈」とは?
人間の前腕には、肘と腕を繋ぐように2つの大きな動脈が走行しています。
![前腕には通常2本の大きな動脈がある](https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/10/Gray528-e1602167054479.png)
これらはそれぞれ、橈骨動脈(とうこつどうみゃく、英: Radial artery)と尺骨動脈(しゃくこつどうみゃく、英: Ulnar artery)と呼ばれています。
そして、2つの動脈の間に正中動脈(英: median artery)と呼ばれる別の動脈が時折存在しているようです。
![2つの動脈の間に正中動脈(median artery)が残っている場合も](https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/10/joa13224-fig-0001-m-709x600.jpg)
正中動脈は通常、妊娠8週ごろの胎児の段階で退行するものとみなされています。
これは胎児の前腕と手に血液を供給する主要な血管として働くのですが、橈骨動脈と尺骨動脈が発達するとその役割が取って代わられるため、正中動脈自体が消えるのです。
ところが、時折大人になってもそのまま正中動脈が残っているケースが報告されてきました。
例えば、1880年代半ばに生まれた人の約10%が大人になってもこの正中動脈をもっていたとのこと。
ちなみに時折存在するこの正中動脈は人に健康リスクをもたらすことはないようです。