なぜ蛍光特性を持つのか?
オポッサムやモモンガ、カモノハシが蛍光特性を持つ理由は定かでありませんが、いくつかの仮説はあります。
例えば、UV光でピンク色に発光するモモンガは、生息地の樹木が蛍光特性を持つコケや地衣類に覆われていることから、カモフラージュの可能性が示唆されています。
これとは別に、蛍光特性は自らを目立たせるためにも使われます。
鳥類では羽やクチバシを発光させることで交尾に役立てますし、魚類では仲間同士のコミュニケーションに利用しています。
しかし、今回のカモノハシは、オスメス両方に同じ蛍光特性が見られることから「性的二形(性別ごとに形質が異なる現象、繁殖や交尾に関わる)」ではありません。
それから、カモノハシは目を閉じて泳ぐのが普通なので、コミュニケーションに使っている可能性も低いです。
その代わり、同チームは「紫外線を反射するのではなく吸収することで、夜行性の捕食者に対するカモフラージュになっているのではないか」と推測しています。
しかし、これを証明するにはさらなる調査が必要です。
現時点で、蛍光特性の利点は種によって異なると見られますが、紫外線を当てて発光する哺乳類は予想以上に多いのかもしれません。