南半球の星座「ろ座(炉)」にあるGAL-CLUS-022058の映像。
南半球の星座「ろ座(炉)」にあるGAL-CLUS-022058の映像。 / Credit:ESA/Hubble & NASA, S. Jha,Acknowledgement: L. Shatz
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重力が魅せる「溶けた指輪」。 ハッブル宇宙望遠鏡がアインシュタインリングの撮影に成功!

参考文献: Hubble Space Telescope,天文学辞典
2020.12.29 Tuesday

この歪曲した天体は、重力レンズ効果によってリング状になったはるか遠くの銀河の姿です。

「アインシュタインリング」とも呼ばれるこの天体現象は、非常に珍しいもので、ハッブル宇宙望遠鏡はその姿をほぼ完璧に捉えています。

12月14日にハッブル宇宙望遠鏡のページ上で公開されたこの天体写真は、研究者から「溶けた指輪」というニックネームで呼ばれています。

 

宇宙に浮かぶ溶けた指輪

重力レンズ効果の説明図。
重力レンズ効果の説明図。 / Credit:天文学辞典,高田昌広「重力レンズ効果」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 8.5節 図8.8(日本評論社)

重力レンズ効果、別名アインシュタインリングは、地球と巨大な重力源、遠くの源天体が一直線に並んだときにだけ見られる珍しい現象です。

上の図は、重力レンズ効果を説明するもので、左が本来存在する天体の配置、右が重力レンズで歪んだ際に予想される見え方です。

一般相対性理論が説明する、巨大な重力による空間の歪みによって、背後から来る銀河の光がリング状に歪んでしまうのです。

今回撮影された画像は、南半球の星座「ろ座(炉)」にある「GAL-CLUS-022058s」です。

見事なアインシュタインリングを作っていて、これは手前にある銀河団の重力の影響だと言います。

研究者はこの天体を「溶けた指輪」という名前で呼んでいるそうです。

その由来は、見た目がまさに溶けた指輪のように見えることもありますが、見つかった場所が「ろ座」、つまりはかまどの中だったからです。

色のせいもあって、ロード・オブ・ザ・リングを思い出してしまいますね。

こうした天体は、はるか遠くの本来なら見えない銀河を研究するための理想的な実験室になるようです。

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