フンコロガシはどうやって直線に進むのか?
フンコロガシはどうやって直線に進むのか? / Credit: jp.depositphotos
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フンコロガシは太陽、月、天の川を目印に逆立ちで直進していた

参考文献: smithsonianmag
2021.01.10 Sunday

フンコロガシは、その名の通り、動物のフンを丸めて転がします。

しかし不思議なのは、逆立ちした状態で後ろ向きに進むのに直線ルートをたどれることです。

その目印の一つとして太陽が使われますが、近年の研究で、太陽のほかに風や月、天の川まで利用していることがわかってきました。

フンコロガシの驚異の習性をのぞいてみましょう。

詳しい報告は、1月11日付けで『Annual Review of Entomology』に掲載される予定です。

>参照元はこちら(英文)

直線ルートを進めるのは「太陽と風」を目印にしていたから

フンコロガシは現在、世界に8000種以上が知られており、団子状のフンを転がすのは600種ほどです。

フンの山から団子を作り出し、平均して約6分運んだのち、それを地下に埋めます。

団子は自らの食料やパートナーへの贈りもの、卵を産んで子どものゆりかごにしたりします。

一方で、運搬中はライバルに横取りされる危険性があるため、できるだけハイスピードかつ、最短の直線ルートをたどるように進化してきました。

その時に目印にされるのが太陽の動き」です。

フンコロガシが太陽の移動ルートを反映して東から西に走ることは、古代エジプトの頃から知られていました。

しかし、それが実験で確認されたのは2003年になってからです。

小さな実験アリーナに数種のフンコロガシを置いたところ、すべてが太陽のある方向に向かってほぼ直線に移動しました。

ですが、フンコロガシに太陽が見えないようカバーをしたところ、ルートはまったくグチャグチャになってしまったのです。

太陽が見えないとルートが直線でなくなる
太陽が見えないとルートが直線でなくなる / Credit: Marcus Byrne

では、太陽が天頂に達する正午(日の出と日の入りの間)では、どうやって東と西を見分けるのでしょう。

2019年の研究によると、フンコロガシは太陽を目印にできないときには「風」を頼りにすることが判明しています。

とくに大事なのは、フンを運ぶ6分の間、風がずっと同じ方向に吹くことでした。

太陽が使えないときは風向きに頼る
太陽が使えないときは風向きに頼る / Credit: Chris Collingridge

この戦略は、フンコロガシがよく生息する砂漠などで有効です。

砂漠では、朝焼けの日射しで空気が温まって上昇し、正午頃に最も強い風が吹きます。

フンコロガシは太陽が目印として使えないとき、その風向きに沿ってルートを決定していたのです。

それなら、太陽も風も使えない場合、フンコロガシは何を頼りにしているのでしょうか。

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