火星の調査に向かう探査機のイメージ画像。
火星の調査に向かう探査機のイメージ画像。 / Credit:NASA/JPL-Caltech
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水、生命、テラフォーミング… ロマンの塊「火星」について現在わかっている8つの真実

2024.06.19 Wednesday

2021.02.07 Sunday

もっとも身近な惑星である「火星」。

ここへは現在、いくつもの探査機が降り立ち実際に地上の調査を行っています。また、近い将来有人探査も計画されています。

おそらく宇宙で初めて人類が降り立つ他惑星となるもので、将来的にはテラフォーミングも計画されています。

そんな火星について、現在どれだけのことがわかっているのでしょうか?

数多くの報告が繰り返される火星の調査記録を、ここではまとめて見ていきましょう。

14 Mars facts we’ve only learned in recent years https://www.zmescience.com/other/feature-post/mars-facts-recent-13012021/

太古の火星は水が豊富だった

火星の風景は、太古の大洪水によって形作られた可能性がある

大洪水のあとを示すとされる火星のマルテ峡谷。
大洪水のあとを示すとされる火星のマルテ峡谷。 / Credit: NASA/JPL/Malin Space Science Systems

火星はほとんどの場所が、人を寄せ付けない不毛の荒野です。

しかし、新しい研究では、現在の火星の風景は、太古に起きた火星の大洪水が原因で形作られたと報告されています。

それは小惑星の衝突によって引き起こされた可能性が高いことが、あちこちの堆積物から確認されています。

現在では火星の水は、ほとんどが失われてしまっていますが、かつてこの惑星の表面では、液体の水が大量に存在していた可能性が高いようです。

35億年前の火星で「津波」が起きていた – ナゾロジー 

火星の海のイメージ
火星の海のイメージ / Credit:pixabay

地球より早く生命が誕生していた可能性がある

かつて水が豊富だったという火星には、巨大な川などが存在していたと考えられています。

堆積した層などの解析から、研究者は火星の古代の川は、3mを超える深さがあったと考えており、数十億年は維持されていたと結論づけています。

火星にあるマリネリス峡谷。
火星にあるマリネリス峡谷。 / Credit:NASA/JPL-Caltech/USGS

こうしたことから、火星では、44億年近く前は、生命を宿すのに適した環境であった可能性があるという研究も発表されています。

これは地球で生命が誕生したよりも、5億年も早い時期であり、ひょっとすると地球より前に火星には生命がいた可能性もあるというのです。

また、火星で誕生した生命は、隕石などによって地球へ移動した可能性も考えられるといいます。

もちろん、これらはまだ推測の域を出るものではありません。

火星の大気は太陽風によって剥ぎ取られた

火星に衝突して上層から大気を奪う太陽嵐のイメージ画像。
火星に衝突して上層から大気を奪う太陽嵐のイメージ画像。 / Credits: NASA/GSFC

では、水も豊かでひょっとしたら生命も存在したかもしれない火星が、現在のような荒野になってしまった理由は何でしょうか?

最近の研究によれは、火星を覆っていた大気は太陽風によって剥ぎ取られてしまったといいます。

地球とは異なり、火星には太陽から絶えず吹き飛ばされてくる荷電粒子を防ぐための強い磁場が存在しません。

そのため、火星上層の大気は太陽風によって吹き飛ばされ、液体の水を支えるための大気が現在ではほとんどなくなってしまったのです。

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