氷河期に北極海は900メートル以上の厚さの氷床に囲まれていた。
氷河期に北極海は900メートル以上の厚さの氷床に囲まれていた。 / Credit:Alfred Wegener Institute
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氷河期の北極海は「巨大な淡水湖」になっていた時期が2回あった

2021.02.04 Thursday
Alfred Wegener Institute https://www.awi.de/en/about-us/service/press/single-view/arktischer-ozean-bedeckt-von-schelfeisen-und-voller-suesswasser.html
Glacial episodes of a freshwater Arctic Ocean covered by a thick ice shelf https://www.nature.com/articles/s41586-021-03186-y

北極海はまごうことなき海ですが、歴史上この領域は氷に閉ざされることで巨大な淡水湖になっていた可能性が出てきました。

2月3日に科学雑誌『nature』で発表された新しい研究は、北極海が少なくとも2回の氷期に、完全な淡水の状態になっていたと報告しています。

これは氷の隔壁が失われたとき、短時間に大量の淡水を海に流し込んだと考えられ、急速な気候変動の原因になった可能性があります。

巨大な淡水湖だった北極海

氷河期は海面が下がり、北極海は概要との接続が限定的になっていた。
氷河期は海面が下がり、北極海は概要との接続が限定的になっていた。 / Credit:Alfred Wegener Institute /MartinKünsting

地球氷河期に入ると氷床が成長することで海面は下がっていきます。

この海面が低い時代、北極海は太平洋、大西洋と繋がるポイントが非常に限られていて、グリーンランド、アイスランド、北ヨーロッパ、シベリアがまるでボウルの縁のように機能していました。

さらに、厚さ900メートルを超える2つの巨大な氷床が北極海を封鎖していたのです。

1つはアイルランド、スコットランドからスカンジナビア半島を経由しロシア北部のカラ海まで、5000キロメートル以上を覆い、もう1つの氷床は、現在のカナダ、アラスカから、グリーンランドとベーリング海を覆っていました。

これによって、氷河期の特に寒い時期、北極海は完全に閉じた海となっていたのです。

北極海の改定地図。氷河期になると、海面の低下と巨大な氷床によって閉じた領域になった。
北極海の改定地図。氷河期になると、海面の低下と巨大な氷床によって閉じた領域になった。 / Credit:Wikipedia

今回発表された研究によると、北極海は過去15万年間に少なくとも2回、7万~6万年前と15万~13万年前に、この完全な隔離状態になっていたというのです。

このとき北極海は、大陸から大量に流れ込む淡水によって、計算上約8000年で、ほぼ淡水の状態に変わっていた可能性があるのです。

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