うんちを移植すると免疫療法の効果が上がったと判明!
うんちを移植すると免疫療法の効果が上がったと判明! / Credit:Canva
medical

うんち移植で「がん」を治療することに成功 糞便が薬になる時代の到来か

2021.02.05 Friday

Fecal microbiota transplants help patients with advanced melanoma respond to immunotherapy https://www.sciencedaily.com/releases/2021/02/210204144027.htm
Fecal microbiota transplant overcomes resistance to anti–PD-1 therapy in melanoma patients https://science.sciencemag.org/content/371/6529/595

うんちでがんが治るようです。

2月5日に『Science』に掲載された論文によると、がんの免疫治療が成功しなかった患者たちに、成功した人の「うんち」を移植すると、劇的な回復効果がみられたとのこと。

しかし、いったいどうして「うんち」移植でがんが治ったのでしょうか?

糞便移植で「がん」を治療する

明の皇帝に糞尿スープを進めたのは東洋医学のスター、李時珍だった。上の図は李時珍が書いた本草網目で東洋医学のバイブルであった
明の皇帝に糞尿スープを進めたのは東洋医学のスター、李時珍だった。上の図は李時珍が書いた本草網目で東洋医学のバイブルであった / Credit:wikipedia

かつて人類は人や動物の便を薬として利用していました。

紀元前1000年ごろのインドの医者たちは、胃腸薬としてウシの糞便が有効だと考えていたそうです。

また西暦300年代に作成された中国の医学書には、糞便を食べると食中毒や下痢を治せると記述されています。

さらに1500年代の明の皇帝は、腹痛を治すため、最高の料理人たちに糞尿を材料にしたゴールデンスープを作らせ、食したと記録されています。

このように、糞便は人類の歴史において、長い間、薬とされてきました。

しかし西洋医学の普及ににともない、糞便を食す治療法は「野蛮」「未開」「迷信」とされ、歴史の陰に消えていくかに思えました。

ですが、近年になって、糞便の効果が見直されるようなってきます。

健康な人の腸から取り出した糞便を患者に移植することで、さまざまな病気に対して効果があることがわかってきたからです。

そこでアメリカ、ピッツバーグ大学の研究者たちは、糞便移植の有効性をがん治療で確かめることにしました。

がん治療の対象としたのは「恐ろしいがん」として知られる黒色腫です。

次ページ免疫療法の限界を糞便移植で突破する

<

1

2

3

4

>

医療のニュースmedical news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!