新しい研究は負のエネルギーに頼らずに、光速を超える方法を提案している。
新しい研究は負のエネルギーに頼らずに、光速を超える方法を提案している。 / Credit:canva
physics

2021.03.05 Friday

物理法則に違反しない「新しいワープドライブ航法」が提案される (2/2)

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超高密度材料で宇宙船を包む?

アルクビエレ・ドライブの時空の膨張と収縮を示した図。3次元空間を平面で表現していて、面から上に隆起した領域を膨張、下へ落ち込んだ領域を収縮として表現している。
アルクビエレ・ドライブの時空の膨張と収縮を示した図。3次元空間を平面で表現していて、面から上に隆起した領域を膨張、下へ落ち込んだ領域を収縮として表現している。 / Credit: Gianni Martire (Applied Physics)

今回の研究チームが提案したのは、負のエネルギーのワープバブルの代わりに、非常に強力な重力場で宇宙船を包むというものです。

このために、宇宙船を超高密度材料の殻で覆うというのが今回のアイデアです。

これによって、少なくとも理論上は、物理法則に違反した負のエネルギーに頼らずとも、宇宙船を時空間の歪みから保護してアルクビエレ・ドライブを実現できるのだといいます。

ただ、物理法則には従っているものの、要の超高密度材料がどういうものになるかは明らかではありません。

彼らの理論によると、ここで必要となる重力場の殻は、地球質量を約10メートルサイズに圧縮した殻でなければならないとのこと。

かなり実現は難しい話のように思えますが、少なくとも物理法則には違反していないので、アルクビエレ・ドライブのアイデアをかなり現実味のあるものに変更したバージョンと言えるようです。

また、今回の研究からはもう1つ、興味深い発見がありました。

アルクビエレ・ドライブでは、必要とされるエネルギーの巨大さも問題となっていますが、ワープドライブで必要とされるエネルギー量は、宇宙船の形状でかなり変動する可能性が出てきたのです。

報告によると、細長い形状の船では必要なエネルギー量は大きくなりますが、幅の広い背の高い船の場合、エネルギーはもっと少なくて済むのだといいます。

ワープドライブでは船の形状で必要エネルギー量が異なる。
ワープドライブでは船の形状で必要エネルギー量が異なる。 / Credit:Sabine Hossenfelder,You Tube

なんだか実現の難しい話を数学で論じているような気がしますが、現在宇宙開発は驚く速度で発展し続けています。

百億年以上も離れた天体を観測することも可能となっていて、人々の意識は光の速度を超えて遠い宇宙の彼方へまで及んでいます。

いずれ人類が宇宙へ飛び出していったとき、光速を超える技術は避けて通ることのできない必須のものとなるでしょう。

そのときに備えて、少なくとも理論上は実現可能な、ワープ航法のアイデアを科学者は完成させておく必要があるのです。

SF的なアイデアが単なる絵空事と笑われる時代は、終わりを迎えようとしてるのかもしれません。

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