太陽エネルギーを貯蔵する新たな燃料が開発された。
太陽エネルギーを貯蔵する新たな燃料が開発された。 / Credit:canva
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太陽エネルギーを18年間保存できる液体が開発される 常温で保存可能で繰り返し使える

2021.03.29 Monday

Emissions-free energy system saves heat from the summer sun for winter(Chalmers University of Technology) https://www.chalmers.se/en/departments/chem/news/Pages/Emissions-free-energy-system-saves-heat-from-the-summer-sun-for-winter-.aspx
Macroscopic heat release in a molecular solar thermal energy storage system https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2019/ee/c8ee01011k#!divAbstract

太陽光は次世代のクリーンなエネルギー源として注目されていますが、問題は太陽が隠れているとき利用できないということです。

この問題を解決するためには、太陽エネルギーを貯蔵する方法を開発する必要があります。

スウェーデンのチャルマース工科大学の研究グループは、この問題を解決する方法として1年間で4本の論文を発表しています。

もっともグレードの高い科学雑誌『Energy&EnvironmentalScience』に掲載された最新の論文では、彼らが開発した太陽エネルギーを貯蔵可能な新しい液体燃料は、18年間も太陽エネルギーを保存することが可能であることが報告されています。

この液体は、安全性が高く常温で保存でき、排出物もなく、繰り返し利用することが可能だといいます。

太陽エネルギーを保存する新しい液体

実験装置を前にしたカスパー教授
実験装置を前にしたカスパー教授 / Credit:Johan Bodell,Chalmers University of Technology

約1年前から、今回の研究グループは太陽エネルギーを蓄えることができる新しい分子について発表を行っていました。

それによると、この分子は炭素、水素、窒素から構成されていて、太陽を浴びると、エネルギーの豊富な異性体へ変化する性質を持っているとのこと。

異性体とは同じ原子で構成されていながら、異なる結合をしている分子です。

この新しい分子は液体の形で利用され、太陽エネルギーを貯蔵する液体燃料になるのだといいます。

「この異性体は、現状最大で18年間太陽エネルギーを保存することができます。そして私たちがエネルギーを利用したいと考えたとき、熱の形で取り出すことが可能なのです」

研究グループのリーダーである、スウェーデンのチャルマース工科大学のナノ材料化学者カスパー・モス・ポールセン教授はそのように、新しい分子を説明しています。

では、具体的には一体どのようにして太陽エネルギーは貯蔵され、利用されることになるのでしょうか?

それは、研究者がMOST(Molecular Solar Thermal Energy Storage:分子太陽熱エネルギー貯蔵)と名付けた太陽エネルギーシステムによって実現されます。

次ページ太陽エネルギーシステム「MOST」

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