世界最小のコンピューターを背負うカタツムリ
世界最小のコンピューターを背負うカタツムリ / Credit: Inhee Lee-University of Michigan(2021)
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カタツムリに「世界最小のコンピュータ」を背負わせ、ナゾだった天敵回避法を解明

2021.06.16 Wednesday

Solving a Mass Extinction Survivor Mystery With Help From Snails Carrying the World’s Smallest Computer https://scitechdaily.com/solving-a-mass-extinction-survivor-mystery-with-help-from-snails-carrying-the-worlds-smallest-computer/
Millimeter-sized smart sensors reveal that a solar refuge protects tree snail Partula hyalina from extirpation https://www.nature.com/articles/s42003-021-02124-y

南太平洋に浮かぶソシエテ諸島(Society Islands)にはかつて、60種を超えるカタツムリが生息していました。

ところが1970年代に、ある事情から外来の肉食カタツムリを持ち込んだことで大半が全滅。

そのわずかな生き残りの中に、シロポリネシアマイマイ(Partula hyalinaという種がいます。

「1円玉ほどしかない本種がなぜ生き残れたのか」、専門家にとって長年の謎となっていました。

しかし今回、ミシガン大学(University of Michigan)の最新研究により、ついにその謎が解明されたのです。

その方法は、カタツムリたちに世界最小のコンピュータを背負わせることでした。

この奇抜な調査法は、何を明らかにしてくれたのでしょうか。

研究は、6月15日付けで『Communications Biology』に掲載されています。

なぜ肉食カタツムリを持ち込んだのか?

50年ほど前、タヒチを含むソシエテ諸島に、食用として栽培するためアフリカマイマイが持ち込まれました。

しかし、これが予想以上に繁殖し、島の生態系を乱してしまったのです。

そこで1974年に、今度はアフリカマイマイの個体数を減らす目的で、肉食性のロージー・ウルフ・スネイル(Euglandina roseaを導入。

これが島固有のカタツムリの悪夢の始まりでした。

高いハント能力を持つロージー・ウルフ・スネイルは、またたく間に拡散し、ソシエテ諸島に分布する61種のカタツムリを食い散らし、壊滅させたのです。

ロージー・ウルフ・スネイル
ロージー・ウルフ・スネイル / Credit: en.wikipedia

残ったのは、シロポリネシアマイマイを入れて、わずか5種となりました。

その中でも特に小さくてか弱いシロポリネシアマイマイが生き残っているのは不思議でした。

本種の大きな特徴は、真珠のように真っ白な殻を持っていることです。

シロポリネシアマイマイの殻は、地元民にとって文化的に重要であり、その独特の色からレイやジュエリーに使用されています。

研究チームは「この白い殻が、ロージー・ウルフ・スネイルにとっては致命的となる太陽光を反射しているのではないか」と考えました。

そして、この仮説を検証するには、両種が1日に受ける光量を調べる必要があったのです。

そこで利用されたのが、世界最小のコンピュータでした。

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