幹細胞のみで卵子を作り受精させて子マウスを誕生させることに成功!
幹細胞のみで卵子を作り受精させて子マウスを誕生させることに成功! / Credit:九州大学
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世界初「幹細胞から人工卵子」を作りマウスを誕生させることに成功

2021.07.20 Tuesday

マウス多能性幹細胞から機能的な卵巣組織の再生に世界で初めて成功! https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/636
Generation of ovarian follicles from mouse pluripotent stem cells https://science.sciencemag.org/content/373/6552/eabe0237

幹細胞から受精能力がある人工卵子が作られました。

7月16日に九州大学の研究者たちによって『Science』に掲載された論文によれば、幹細胞(ES細胞)のみを材料にして人工卵子を作り出し、受精を経て繁殖可能な子マウスを誕生させたとのこと。

メスの体に依存しない卵子の生産技術が普及すれば、絶滅危惧種を救うことや、研究材料としての卵子の供給が可能になると期待されます。

研究者たちはいったいどうやって、幹細胞から卵子を作り出したのでしょうか?

既存の卵子作成法は卵子を作るために胎児を犠牲にしていた

幹細胞の万能性を利用して受精能力のある卵子を作った
幹細胞の万能性を利用して受精能力のある卵子を作った / Canva . ナゾロジー編集部

近年の幹細胞技術の進歩により、幹細胞(ES細胞)から卵子を作り出すことが可能になってきました。

しかし既存の方法で卵子を作るには、元となる幹細胞を疑似的な生殖細胞(PGCLCs)に変化させるだけでなく、マウス胎児から摘出された卵巣細胞を追加材料(外部環境)として必要としていました。

つまり今までは卵子を作るために胎児の犠牲が必要だったのです。

そのため既存の方法を人間に応用することは倫理的な問題がありました。

そこで今回、日本の九州大学と理化学研究所の研究者たちは、幹細胞からマウス胎児の卵巣を「模倣」する細胞(FOSLCs)を作成することにしました。

もし卵巣の模倣が上手くいけば、胎児を犠牲にすることなく、追加材料も幹細胞から作成可能になると考えたからです。

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