チンパンジーがゴリラを襲撃、世界初の事例
チンパンジーがゴリラを襲撃、世界初の事例 / Credit: LCP, Lara M. Southern–First lethal attacks by chimpanzees on gorillas observed
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「野生のチンパンジーがゴリラを殺害」世界初の報告がされる(アフリカ) (2/2)

2021.07.22 Thursday

2021.07.21 Wednesday

前ページ平和に共存していたはずなのに…

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チンパンジーがゴリラを襲撃、子どもを殺害

研究チームのララ・M・サウザン氏は、2019年に初めて観察した襲撃事件をこう振り返ります。

「最初は、チンパンジーの鳴き声だけにしか気づかず、近くに住むコミュニティ同士が遭遇しているだけだと思いました。

ところがその直後、ゴリラに特有の胸を叩く音が聞こえ、様子が変だと気づいたのです。

観察してみると、チンパンジーの群れと5頭のゴリラのグループが遭遇し、互いに牽制し合っていました」

両者のにらみ合いが1時間ほど経ったあと、チンパンジーが群れでゴリラを攻撃し始めたのです。

チンパンジーによるゴリラ襲撃は2度観察され、遭遇時間は1度目が52分、2度目が79分。

その中で、成熟したオスとメスのゴリラ数頭は逃げ切りましたが、2頭の子どもがチンパンジーにより殺害されました。

ロアンゴ国立公園のチンパンジー
ロアンゴ国立公園のチンパンジー / Credit: LCP, Lara M. Southern–First lethal attacks by chimpanzees on gorillas observed

襲撃の原因について、デシュナー氏は「ロアンゴ国立公園では、チンパンジー、ゴリラ、マルミミゾウが食料資源を共有しているため、2つの類人猿の間で競争が激化し、それが致命的な争いに繋がったのかもしれません」と推測します。

また、ガボンの他の熱帯林でも報告されているように、近年の気候変動により、食料資源が減少しています。それが争いを引き起こした可能性もあり得るでしょう。

野生のチンパンジーはアフリカにのみ生息しますが、世界には賢い霊長類がたくさんいます。

このまま森林破壊が進めば、彼らがどんどん町に降りてきて、人間の物資を奪いにくるかもしれません。

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