月を作り出す周惑星円盤
![ALMAが観測した地球から400光年離れたPDS70星系](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/eso2111b-600x600.jpg)
今回観測されたのは、地球から約400光年離れた若い恒星系「PDS70星系」です。
ここには、2つの巨大ガス惑星(木星型の惑星)が確認されていて、写真の中で点のように写っているのがそのうちの1つ「系外惑星PDS 70c」です。
この拡大されて映されているのが「系外惑星PDS 70c」です。
![若い巨大ガス惑星「PDS70c」。その周りにあるモヤが今回の研究のメイン周惑星円盤。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/eso2111c-900x597.jpg)
そしてのその周囲にモヤっとなんとなく写っているのが、今回の研究のメインとなっている周惑星円盤と呼ばれるものです。
この2つの写真をイラストで表現すると、下のような状態です。
![PDS70星系と系外惑星PDS70cのイラスト概略図](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/07/384ebfbd8f2948df36f57e937472c348-900x521.jpg)
惑星は、若い恒星を取り巻く「原始惑星円盤」のガスと塵を捕獲して誕生します。
この過程の中で、必然的に惑星を取り巻く形で作られるのが、周惑星円盤と呼ばれるものです。
太陽系の惑星と、木星などの惑星の周りを回る月(衛星)は、どちらも同じように軌道面がそろっています。
これはどちらも似たような原理で形成されている可能性を示しています。
若い恒星の周りには原始惑星円盤が形成され、その中から惑星が生まれます。
惑星の周りには、周惑星円盤が形成され、その中から衛星が誕生するというわけです。
ただ、これまで衛星がどうやって形成されるのかということは、きちんと観測できていませんでした。
今回、その鍵となる周惑星円盤の姿を初めてはっきりと観測できた、というのが大きな成果なのです。