ウミヘビはダイバーを交尾相手と勘違いしていた⁈
ウミヘビはダイバーを交尾相手と勘違いしていた⁈ / Credit: Tim Lynch et al., Scientific Reports(2021)
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ウミヘビはダイバーを「交尾相手」と見間違って襲撃していたと明らかに

2021.08.25 Wednesday

Highly venomous sea snakes may be attacking scuba divers as a mating behavior https://www.zmescience.com/ecology/animals-ecology/highly-venomous-sea-snakes-may-be-attacking-scuba-divers-as-a-mating-behavior/ Sexually frustrated sea snakes mistake scuba divers for potential mates https://www.livescience.com/sea-snakes-mistake-scuba-divers-for-mates.html
Mistaken identity may explain why male sea snakes (Aipysurus laevis, Elapidae, Hydrophiinae) “attack” scuba divers https://www.nature.com/articles/s41598-021-94728-x

オリーブウミヘビ(学名:Aipysurus laevis)は、ダイバーを見つけると高い確率で襲撃をしかけます。

海洋生物学者は、襲撃がウミヘビにとって何のメリットもないことから、非常に不可解な行動と考えてきました。

しかし、マッコーリー大学(Macquarie University・豪)の研究により、ついにその謎が解明されたようです。

どうやらウミヘビは、ダイバーを交尾相手と勘違いし、求愛行動の一環として近づいている可能性があるとのこと。

彼らには、ダイバーが少し大きなメスに見えているのかもしれません。

研究は、8月19日付けで学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

ダイバー襲撃は5〜8月の交尾期に頻発していた

陸生のヘビは一般に、人から大変恐れられていますが、実際に人と遭遇した時は、立ち向かうより逃げる方が圧倒的に多いです。

一方のウミヘビは、わざわざ自分からダイバーの方に近寄っていきます。

人間側から近づいたわけでも、嫌がらせをしたわけでもありません。しかも、獲物にするには明らかに大きすぎますし、サンゴ礁の中に避難すれば、人間など簡単に撒くことができます。

本研究主任のティム・リンチ氏は、1994年から1995年にかけて、オリーブウミヘビの主な生息地であるグレートバリアリーフ付近でダイビング調査を行いました。

その際、オリーブウミヘビと158回遭遇し、うち74回は最接近されています。

リンチ氏と研究チームは、これらのデータを新たに分析し、なぜ本種がダイバーに近寄るのかを調査しました。

サンゴ礁を徘徊するオリーブウミヘビ
サンゴ礁を徘徊するオリーブウミヘビ / Credit: ZME SCIENCE – Highly venomous sea snakes may be attacking scuba divers as a mating behavior(2021)

分析の結果、ダイバーに接近するウミヘビはメスよりオスの方が多く、しかも接近の大半は、5月〜8月の交尾期に起こっていると判明したのです。

交尾期以外にオスがダイバーに近づくことはほとんどなく、反対に、メスがダイバーに近づく割合は、交尾期とそれ以外の時期で違いはありませんでした。

もう一つの特筆すべき違いは、オスの方がダイバーの体を舌で打ったり、フィンに巻きつく確率が高かったことです。

これらはメスへの求愛行動として知られています。

また、オスのダイバーへの接近は、メスに求愛して失敗した直後や、ライバルのオスとの争いに負けた後に発生していました。

以上を踏まえると、オスのウミヘビは明らかにダイバーを交尾相手と勘違いしていることが伺えます。

ある調査記録によると、「ダイバーがオスのウミヘビから逃げようと20分近く泳ぎ続けたが、ヘビを撒くことはできなかった。あきらめて立ち止まると、ヘビは1分ほどダイバーの体を舌で突いた後、その場を去っていった」と報告されています。

オリーブウミヘビ
オリーブウミヘビ / Credit: Tim Lynch et al., Scientific Reports(2021)

陸生のヘビは、交尾相手を見つける際、メスの出すフェロモンの匂いを頼りにしています。

しかし、このような化学物質は溶性でないため、海洋環境では嗅覚を頼りにできません。

また、オリーブウミヘビの視力は陸生のヘビほど明瞭でなく、水中ではかなり視力が落ちていると思われます。

そのため、似たような泳ぎをしているダイバーをメスと錯覚しているのかもしれません。

リンチ氏は、オリーブウミヘビにアプローチされた際の対処法として、「無理に追い払わない方が安全」と指摘します。

オリーブウミヘビは致命的なを持っており、噛まれると非常に危険です。

「このような状況下での最善の戦略は、ウミヘビが間違いに気づくまで調べさせることです。逃げようとしても無駄で、かえって反感を買う可能性があります。

ヘビが脅かされたり怪我したりしない限り、噛まれる可能性は低いでしょう」と述べています。

日本では沖縄の海にウミヘビがいますが、オリーブウミヘビと遭遇することはありません。

しかし、もしオーストラリア近海でダイビングする機会があるなら、ご注意を。

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