脳と内臓脂肪の間に神経接続があると判明! 内臓脂肪は脳の命令で燃焼していた
脳と内臓脂肪の間に神経接続があると判明! 内臓脂肪は脳の命令で燃焼していた / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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内臓脂肪は「脳の命令」で燃焼していた。脳と脂肪に神経接続があると判明 

2021.08.25 Wednesday

A Never-Before-Seen System For Burning ‘Deep Fat’ Has Been Found in Mouse Studies https://www.sciencealert.com/mice-experiments-reveal-a-never-before-seen-system-for-burning-deep-fat
Neuro-mesenchymal units control ILC2 and obesity via a brain–adipose circuit https://www.nature.com/articles/s41586-021-03830-7

脳と内臓脂肪は神経でつながっていました。

8月18日にポルトガルのシャンパリモー未知センターの研究者たちによって『Nature』に掲載された論文によれば、脳と内臓脂肪が神経によってつながり「脳脂肪回路」を形成していたことが、世界ではじめて示されました。

どうやら内臓脂肪に効果的に働きかけるには、単なるエネルギー収支だけでなく、脳を説得する手順も必要なようです。

しかし、いったいどうして脳は内臓脂肪を管理しているのでしょうか?

脳は内臓脂肪に直通回線を引いている

脳は内臓脂肪に直通回線を引いている
脳は内臓脂肪に直通回線を引いている / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

肥満において最も危険な脂肪は内臓脂肪です。

臓器を包む内臓脂肪は、適度な量ならば臓器の働きをサポートしますが、多すぎれば体の害になるほどの余分なタンパク質やホルモンを作りはじめるからです。

さらにこの余分なタンパク質やホルモンは、13種類のがんの発生率を引き上げ、心臓と血管にかかわる死因を増加させることが知られています。

肥満による健康悪化を防ぐには、内臓脂肪をいかに減らすかがカギとなっているのです。

そのためこれまで多くの研究者たちによって、内臓脂肪が調べられてきました。

結果、内臓脂肪には脂肪細胞だけでなく神経線維も含まれていると判明。

しかしなぜ内臓脂肪に神経が接続されているのか、そしてどこから伸びてきている神経なのかは、不明なままでした。

そこで今回、ポルトガルのシャンパリモー未知センターの研究者たちはマウスの性腺周辺の内臓脂肪に、光るように設計されたアデノ随伴ウイルスと仮性狂犬病ウイルスを感染させました。

ウイルスの感染が広がれば内臓脂肪に刺さっている神経を遡って、上流の神経に光が到達して接続元を突き止められると考えたのです。

結果、内臓脂肪に伸びていた神経(交感神経)は最終的に、の視床下部と最も緊密に接続していることが判明します。

これまで筋肉を制御する運動神経や腸の神経が脳とつながっていることが判明していましたが、内臓脂肪と脳がダイレクトにリンクしていることが判明したのは、世界ではじめてです。

そうなってくると気になるのが、脳はどんな用があって内臓脂肪に直通回線を引いているかです。

次ページ神経シグナルは間葉細胞の翻訳をへて免疫細胞と脂肪細胞に伝達される

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