地下街で売られているシュークリームは抗いがたいいい匂いを発していたりする
地下街で売られているシュークリームは抗いがたいいい匂いを発していたりする / Credit:canva
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食べ物の甘い香りに誘惑されるのは「甘いもの不足」だから!?

2021.09.13 Monday

Your sense of smell may be the key to a balanced diet https://news.northwestern.edu/stories/2021/08/smell-perception-food-choices/
Olfactory perceptual decision-making is biased by motivational state https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3001374

街角のパン屋や、地下街のシュークリーム屋から漂ってくる甘い香りに強烈に引き込まれた経験はないでしょうか?

なぜ、街角で嗅ぐスイーツの匂いはあんなに魅力的なのでしょう?

ノースウェスタン大学(Northwestern University)の研究チームは、直前に食べた食事の内容によって、人は食べ物の匂いに敏感ではなくなることを発見したと報告しています。

もし、出かける前に焼き菓子を食べていた場合、地下街の甘い香りを漂わせるパン屋に立ち寄る可能性は低くなるかもしれません。

この研究の詳細は、8月26日付で科学雑誌『PLOS Biology』に掲載されています。

嗅覚は体に必要な栄養素に反応している

甘い匂いに非常に敏感なときがヒトにはある
甘い匂いに非常に敏感なときがヒトにはある / Credit:canva

私たちは満腹のとき、「もう食べ物匂いなんて嗅ぎたくない!」と思うかもしれません。

しかし、それでも甘いスイーツの匂いを嗅ぐと、「わあ、超食べたい」となってしまう可能性があります。

甘いものは別腹という慣用句もありますが、こうしたことは栄養摂取のバランスに関連していると考えられます。

これについて今回の研究者であるノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のトルステン・カーント(Thorsten Kahnt)助教授は次のように説明します。

「たとえば私たちの祖先が食べ物を求めて森をさまよっていたとしましょう。

そのときベリー類を見つけて食べたあとは、ベリー類の匂いにそれほど敏感ではなくなっていたでしょう

しかし、キノコの匂いにはまだ敏感だったかもしれません。

そのため、理論的には食べた物と嗅覚の間のフィードバックは、栄養摂取の多様性を促進し、進化的に有益だった可能性があるのです」

こうした狩猟採集民としての能力は、現代の私たちの体でも今必要なものと、匂いで感知できるものとの関係を結びつけている可能性があります。

そこでカーント研究室のポスドクであるラウラ・シャナハン(Laura Shanahan)氏は、食べ物と食べ物ではない物の匂いを混合した気体を作り、どういう状況のときどちらの匂いを感じるかという斬新な実験を行ったのです。

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